第23話 三大世界

「この世界のことをもう少しだけ話しておきましょうか

この世界は3つの世界があります

ひとつはこの地球と呼ばれる世界

もう一つはあなたたちがいる魔女の世界

最後のもう一つは魔界と呼ばれるところよ

この三大世界によってこの次元は成り立っているの」

「魔界とはどういったものなのでしょうか?」

「魔界は神器の暴走によって取り込まれ魔人と化してしまった人たちが

行きつく場所ともよばれているわ

魔女の世界で魔人化すれば魔界からあれが回収にやってくる」

「あれが回収・・・?」

「白い巨人よ、回収屋ともよばれ魔界での秩序を守る役目をしているわね」

「魔界には闇の神器があるのではないですか?」

「ええ、あるわよ。闇の神器は魔界の王が魔女の世界と魔界の秩序を守るために幾度も使ってきたわ。

しばらくは会っていないのだけど彼はまだ元気なのかしら」

「その魔王も5000年生きているのでしょうか?」

「ええ、そうね私と同い年かしら

でも、彼には世界の平和なんてものには興味はないわ

世界の秩序を守ることで忙しい人だから

こちらから介入をしなければ何もしてくることはないけれど

本当に世界の平和を望むのなら彼のもとにいずれは行く必要があるでしょう」

「ところで土の神器はここにあるのでしょか?」

「ここには無いのです。あるのはあなた達がいる魔女の世界の遥か遠くに位置する場所に鬼の島と呼ばれる島があるわ、土の神器と魔女の因子はそこにある。」

「鬼の島・・・ですか」

「鬼と呼ばれる種族オーガ族がそこでは暮らしているわ

かなり遠いのだけれど行っておいて損はないわね

味方につけれれば心強い味方になってくれるわ

ただ、かなりの強情で力でしか物事を信じない人たちだから

交渉はかなり難しい話になりそうね」

鬼の島・・・聞いたことがないが存在はしていると

行ってみるしかなさそうですね

「その島はどこにあるのでしょうか?」

「そうね、遥か西といっておきましょうか

それ以外は私にもわからないわ」

「わかりました。貴重な情報ありがとうございました。」

「いいのよ、またそのうち会う日がくるでしょうし」

「またここに・・・?」

「運命が導けばきっと会えるでしょう

さあ、もうお行きなさい

リリー、あなたはイザミについて行ってあげなさい。」

「は~い」

そういうとホムンクルスのリリーはイザミの肩に乗った。

「リリー様よろしくお願いします」

「様はいらないって~堅苦しいからリリーでいいよっ!」

「はい、リリーさん」

「もう、イザミちゃんってばぁ」

「さあ、戻りましょう。あちらの世界のことも少々気になりますので」

ジード一行は大地の国のゲートを抜け迷いの森にでた。

「ここからはどう来たかもわからないのでリリー案内を頼めますか?」

「は~い、ジードちん妖精使いが荒いね~」

リリーは、こっこっちと言わんばかりに後ろを見ながら先に進んでいった。

すると飛空艇のある場所まで到着した。

ステルスがかかった飛空艇の前でジードは手を掲げてステルスを解除した。

「ほえ~これが飛空艇なんだね~

わたしより早いかな?これ」

「あなたがどれくらいのスピードで飛べるかはわかりませんが

それなりに早いと思いますよ」

「りりーちゃんは高速で飛べるの!どれくらいとかわかんないから」

「はあ、そうですか

まあ、いいです早速中へはいりましょう」

そういうとイザミとリリーを飛空艇へ招待した。

「では進路を火の国へ取ってください

全速力でお願いしますね。あ、機体が揺れますのでご注意ください。」

ゴゴゴゴ

「あわわあっそれを早く言ってよねぇ~」

「あなたは飛んでいるのですからあまり関係ないのではありませんか?」

「りりーちゃんは繊細なの!」

ジードは、やれやれといった表情でお手上げポーズをした。

「あー!今お荷物だと思ったでしょ!」

「ええ、思いましたよとんだお荷物だとね」

バシッ

ジードの後頭部にリリーが蹴りをかました。

「ふん!」

「やれやれ、イザミさんリリーの面倒はあなたにお任せしますが

どうか静かにさせておいてくださいね

さもないと私がそのホムンクルスを解体してしまいかねませんから」

「ジード様申し訳ありません。リリーさんには言っておきますのでお許しください。」

イザミは深くお辞儀をした。

「リリーさんあまりジード様の邪魔をされてはいけません」

「へーい」

リリーはしぶしぶイザミの頭に乗ってあぐらをかいた。

「通信を風の国へ繋いでください。」

「はっ!」

ブーンッ

「ナディーナですか?」

「ああ、ジード無事だったか」

「無事とはいったいどういうことですか?」

「迷いの森から帰ったものはいないとかなんとかいってただろ?」

「ええ、言いましたが私は無事ですよ」

「それ以外にも困ったことが起きてな」

「困ったことですか?」

「ついさっきなんだが雷の国が吸血機を使って襲撃をしてきたんだ。

それで撃退はできたんだがセルジュ王子が負傷しちまって」

「魔物ではなく人間の襲撃ですか

それも雷の国からと・・・。

私もすぐそちらへ向かいます」

「ああ、そうしてくれ」

そういうと通信が切れた。

プツン

「イザミさん、申し訳ありませんがどうやら先に風の国へ行かなくては

ならなくなりましたので火の国へ行くのは少し先になりますがよろしいですか?」

「はい、風の国の方が大変だと思いますので大丈夫です。」

「では、進路を変更し風の国へ向かってください」

「はっ!進路変更!風の国!」

「風の国までは少し時間がかかりますのでお部屋でお休みください

部屋はこちらになります。」

ジードはイザミを客室に案内した。

「こちらを自由に使っていただいてかまいませんので

ではまたのちほど」

ジードは客室にイザミを残して去っていった。

「ここ自由に使っていいんだって~

やっほ~い」

そう言いながらリリーは部屋を飛び回った。

イザミは少し疲れたのかベットの端に座った。

「私は少し横になって休もうと思いますが

リリーさんはどうされますか?」

「わたしもその辺で休むよ

あまり遠くに行っていたずらするとジードが怒るしさ」

そう言ってベッドの端に座った。

こうして二人はベットで横になり眠りにつくのだった。



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