第22話 魔人化
「ナディーナさん!通信が入りました!」
「どこからだい?」
「えっと、ドロシーさんからです」
「映像だしてくれ」
ブーンッ
「ナディーナ様、申し訳ありません姫様を見失いました。
現場からの状況を察するに何かしら戦闘があったのではないかと思われます
痕跡を探った結果何者かに拉致されたのではないかと思われます」
「な!なんだって!?あねきがさらわれたっていうのかい!?」
「痕跡の方向から察するに雷の国の仕業かと」
「あいつらめぇ、ドロシーは追跡を続行してくれ
できることなら救出も頼むよ」
「了解しました。」
「あぁ、現地にはランドルフが偵察をしているはずだから
あいつと接触して囚われている場所を探ってもらうといい
あと合流地点はあらかじめ決めておいてくれ
飛空艇を向かわせておくから」
「はい、では直ちに向かいます」
プツンッ
そういうと通信が切れた。
「困ったことになったねえ・・・まさか姉貴が捕まるなんて
やつらの目的はやっぱり神器なんだろうかねえ」
「ナディーナさん!敵襲です!」
「今度はなんだってんだい!?」
「敵の数はおよそ300です!すべて吸血機の量産機だと思われます!」
「なんだって!?いったいどうなってんだい・・・。
すまねえがラクシャ出撃をしてくれないかい?」
「わかりました!」
「なるべくこちらからも援護する
すべてを相手にしようとはしなくてもいい
時間を稼いでくれたらいいから!」
「が、がんばります!」
ラクシャはドックに行きアズマーダを呼び出した。
「アズマーダ!」
オタノシミガキタナ
「全然楽しくないから・・・。
中身は人間なのよ・・やりにくいったらないわ」
手加減ヲスレバオ前モ只デハスマンゾ
「わかってるわよ・・・そんなこと
でも、殺してしまうしかないのよね・・・」
「ラクシャ!手加減なんて考えるんじゃないよ?
あんたが死んだら元も子もないんだからさ
これは戦争なんだ。
始まっちまった以上は流れを変えることなんてできないんだよ
何とかしたいならこの場を切り抜けることを考えな!」
「う、わかりました・・・。」
私は出撃し空の上で戦闘を始めた。
光の弓を引き絞り思いっきり放ち吸血機を3体沈めた。
「こちらも迎撃をするよ!全砲門を吸血機に照準合わせ!
できるかぎり狙いを絞りながら撃ちな!弾の無駄遣いは許さないよ!」
「照準揃いました!」
「フェザー砲全弾てぇええ!!」
ドオオン!!
「援護射撃がきてるみたい」
コチラモデキル限リ動クゾ
「そうね!避けているだけじゃジリ貧だし
ある程度は迎撃しないとこっちがもたない!」
また光の矢を数発撃ち込み吸血機を複数撃ち落とした。
「はあ、はあちょっと疲れてきたかも」
ウシロ来タゾ!
「えっ!?」
私が油断していると敵が後ろから攻撃をしてきた。
「危ない!」
≪ブレード・サイクロン!≫
ボォォン!
「油断は禁物ですよラクシャさん」
「え?セルジュ王子?」
どうやらセルジュ王子が助けてくれたようだ。
「微力ながら私も加勢させていただきますね」
「あれ?国に帰ったんじゃ?」
「いえ、まだ帰ってなくて
帰ろうとしていた矢先この襲撃でしたので」
「水の国の方は大丈夫なんですか?」
「おそらくこちらが本命なので大丈夫かと
敵も数を分散させてまで作戦を失敗させたくはないでしょうし
狙いはあなたの神器と因子かと思われます」
「あ~た~り~、大正解~!!
ひへえっはははっ!小せえガキのくせに頭が回るじゃねえか
その通り俺の狙いはお前だよ王女様」
「えっとあなたは誰なの?」
「俺かぁ?俺は雷の国の王子様よ覚えとけ
そしてこの神器の操縦者様だ」
「ラクシャさんは一旦下がってください!
ここは僕がやつを食い止めますので!」
「おやおやぁ。小さいナイトのお出ましかぁ
ひへははっ!こりゃあ傑作だ。
だけどなおこちゃまの出る幕じゃあねえんだよ!
ガキはお家に帰ってママのおっぱいでも吸ってろ!」
「僕を甘く見ないでください」
「甘々だよお前は甘々なんだよなぁ!」
≪雷帝瞬獄殺!≫
「オラオラオラ!これで痺れちまえよ!」
雷の神器は電撃の鞭をセルジュめがけて素早く振るった。
セルジュは鞭を素早く避けた。
ちょこまかとうぜえなぁ
速さだけは認めてやるよ・・けどなぁこれならどうだ?
≪ビリーザキッド≫
バンバンバン!
鞭の雷撃が散弾銃のように飛び散った。
飛び散った雷撃がセルジュに襲い掛かった。
「うわあああああっ!」
「ひへえっはは!どうだぁ俺の電気の味わよぉ
最高だろう?ゾクゾクするよなぁ?」
「セルジュ王子!」
「ぐぅう、だ、大丈夫です!」
「強がるのも今のうちだぜえ?
もっと面白いもんをみせてやるよ」
そういうと男は神器を暴走させた。
「これはバーサーカーモードっていうらしいが
これをもっとヒートアップさせるとどうなるか知っているか?
雷の神器!もっともっと熱くなれ!血の渇望と共になぁあ!!」
グォオオオオオ!!
「あ、あれってBSKモードじゃないの・・・?
私の知っている姿じゃないんだけど・・・。」
神器は、徐々姿を変え元のロボットの姿から、魔物のような姿に変わった。
頭は大きくなり口は裂け鋭い牙が生えていた。
「これがぁ、これが進化だ!神器の進化なんだよ!
あぁあああ血が欲しい、お前の血が欲しいっ!
うまそうだなぁ、ちょっと味見させてもらうか」
シュッ
一瞬雷の神器が消えたかと思うとセルジュの背後に現れた。
「いただきまぁす!」
ガブッ!
「ぐあああああっ!」
雷の神器はセルジュの乗った神器の肩に喰らいついた。
「そ、そんな!セルジュ王子!!」
「ひへえははは!うめえ・・うめえええええ!!!
もっと飲みてえなあああ!!」
ギロッ
雷の神器は私の方へ振り向き睨んできた。
「ギヘヘヘヘッ!お前の血はどんな味かなぁあ?」
「ひぃ!やだっ!こないで!」
グォォオオオオオ!
雷の神器がラクシャへ飛びかかってきた。
「きゃああああ!」
その時突然なにもない空間から巨大な白い手が現れて雷の神器を掴んだ。
ガシッ
「くっ!離せ!なんなんだおまえはよ!」
雷の神器はバタバタ手足を動かし暴れたが振りほどけそうになかった。
「ぐあぁあ!はあなぁあせええええ!!!」
巨大な白い手は雷の神器をそのまま異空間へと引きずり込んだ。
「がぁあああああああ!!!!」
そして、雷の神器と巨大な白い手は異空間へと消え去った。
「い、今のはなんだったの・・・?」
「そ、それよりセルジュ王子!大丈夫ですか!?」
「うっうううぅ、大丈夫ですが・・血が止まらないようです。」
「王子は一旦下がってください!あとは私がここを守ります!」
「すみません一旦引かせていただきます」
セルジュ王子は風の国のドックへと向かっていった。
雷の神器が消失したと同時に量産型の吸血機は徹底していった。
「あれ、逃げて行ったみたい」
(ラクシャ!一旦戻ってきてくれないかい!?
王子に何があったかあんたならわかるだろう!?
ドックに帰ってきた王子の意識がないんだ!?)
「えっ!あの時嚙まれたのが原因かしら・・・」
私は急いで風の国へ帰還した。
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