第19話 風の王国再び
私たちは風の王国へと到着した。
「ナディーナに至急会議を開くとお伝えください」
「はっ」
私たちは風の国に入り王城の会議室へと向かった。
私たちは会議室の適当な椅子に座り会議が始まるのを待った。
するとほかの国からの王子が入ってきた。
「あ、あれは水の国の・・・」
「おう!ジード久々だな」
そう言ってきたのはデュランだった。
「デュランも呼ばれたのですか?」
「ああ、緊急招集でな王子と一緒についてきたんだ。」
後ろを見るとセルジュ王子がいた。
「お久しぶりです王女殿下」
「セルジュ王子お久しぶりです!」
「そういえばランドルフがいないがどこかにいったのか?」
「ええ、彼には今雷の国へ偵察に行かせています。」
「なるほどな、あの国はきな臭い
それに今日の緊急招集も雷の国関連だろうな」
「そうなのですか?それほどまでに悪い方向へ動いていると
いうことなのでしょうか
そういえば宰相殿はいらっしゃらないのですか?」
「ああ、あいつは忙しいっていって
まるで椅子に接着剤でもついているように動かねえ」
「そうですか、あの方にも少々聞いておきたいことがあったんですがね」
「まあでも通信はつながるんじゃないか?」
「通信による参加ですか
なら聞きたいことも聞けますね」
と話していると全員そろったようだ。
「ジードがこの会議しきってくれるんだろう?」
「私ですか?私の国ではございませんがよろしいのですか?」
「ああ、かまわねえよ」
「ではこの度は私が仕切らせていただきますね
みなさんこの度はお集まりいただきありがとうございます
これより緊急招集のみなさん込みで緊急会議を始めたいと思います
議題はこれから我々はどうすべきかどう動くべきか
それで情報を収集できたらと思うんですが
みなさんは雷の国には行かれたことはありますか?」
「あたいは関りがないからわからないけど
いろいろとやばいことやってるって噂はあるよな」
「噂もさることながらどうやら神器の量産機を開発したようで
一度われらも交戦しております
あとこれは重要事項なんですが
火の国【アルテシア】とその神器は消滅しました。」
「は?」
「何言ってんだ?ジード」
「そのままの意味ですよ
消滅したのです・・・大きなクレーターとなって
我々は本国へ帰還しそれを目の当たりにしたのです。」
「ちょ、ちょっとまってくれジード
そしたらうちの姉貴はなんのためにいったんだ
てか姉貴と合流したんじゃないのかい?」
「本国の周囲に妨害電波がでていまして通信はおろか敵の
索敵も不可能でした。
ネフィリム王女殿下とも通信ができない状態だったのですが
ナディーナは何かご存じでしたか?」
「妨害通信?そういえば途中から姉貴と通信がつながらなくなったな
それが人工的な妨害だというのかい?」
「ええ、おそらく雷の国からの妨害電波であると思います
火の国の消滅にもなにかしら雷の国が関与していると思われます
そこで水の国、風の国、もうありませんが光と火の国がここに集結し
雷の国への対抗をしたいと思いますがいかがでしょう?
おそらく彼らの狙いは神器であると思われます
ですので残る水と風の国の神器、もしくは因子を狙ってくるのではないでしょうか?
魔物の襲撃にも警戒しなければなりません
そうしたときに一番大事なのは我らが一致団結することであると進言します
もちろん国の存亡を揺るがすものであることは承知の上です
ですが二つの国が消滅した以上もう猶予はないのではないかと
他の国も消滅の危機にあると私は思っております
そのうえでのお話であると思ってください。」
「その話どこまで信じられるんだ?」
突然スクリーンから映像が映し出された。
「ベルですか、私の言ったことはおおむね事実ですよ
それに一刻を争い時間の猶予もないのです
火の国と光の国がない以上魔物の襲撃はそれ以外の国に集中してしまいます
それは雷の国も同じ立場なのは間違いありませんが
なにか底知れぬ思惑が動いているのではないかと感じています」
「お前の言うことだ何か確信的なものがあってのことだろうが
それでも一つの王国を動かすとなるとそれなりに時間がかかる
それはお前にも俺にもどうすることはできないぞ?」
「ええ、そうですね
なのでここは一番の物知りであるエルフを訪ねようかと思っています。」
「土の王国か、それはどこにあるのかわかるのか?」
「おそらく迷いの森深くにあるのではないか・・と
その間、水の国と風の国に敵が集中すると思われます
それまでお任せすることはできますか?」
「しかしよう、姉貴がいないんじゃここには水の神器しか残らないんじゃないか?」
「風の国に回す戦力がないよな」
「風の国には光の神器を残していきます
ラクサーシャ殿下も必然としてここに残ることになります」
「え?私はここに残ってこの国を防衛したらいいのかな」
「ええ、それでおねがいします
その間私は土の国へ行き交渉をしてまいります
長い間土の国は情報すらでてこない未知の国でしたが
少し前に土の国から伝書鳩のようなものがこられ話がしたいと記されていました。
土の国へ招かれていると判断してよいでしょう。
これまで沈黙をしてきた国が突如沈黙を破った。
これは何かあると思いませんか?」
「まあそれはわかるがお前ひとりで大丈夫なのか?」
「ええ、問題ないでしょう
それに私の実力はおわかりでしょう?」
「お前が強いのはわかるが未知の領域に足を踏み入れるんだ
帰ってこれる保証もないんだぞ?」
「ええ、ですが勝算もありませんし
どうせこのまま滅亡をむかえるのなら賭けてみても
いいかとおもいましてね」
「お前らしくないな、確率の低い賭けに出るなんてな」
「だれが確率が低いといいました?
私の中では勝算に値する確率ですよ?ふふっ
なのであとのことは任せてもよろしいでしょうか?」
「ああ、わかった
風の国のサポートもうちが引き受けよう」
「ありがとうございます。ベル」
「貸しにしておくからな」
「お金は出しませんよ?」
「ちゃっかりしてるな」
「それはそちらでしょう?」
二人は笑いながら約束をした。
「会議の方はこれで終わろうと思います
何かあれば通信にてお願いしますね
私は急ぎ土の国へ参りますので。
ただ、電波妨害のようなこともしてくるようなので
気を付けてください。
ラクシャ殿下もここでいったんお別れです
また再びここで会えることを祈っています」
「はい、気をつけて行ってきてください」
そういうとジード団長は会議室から出て行った。
「あの、ナディーナ殿下?私はどうしたら?」
「ああ、ラクサーシャ王女は王族の客間があるからそこを使うといいよ」
「あ、私のことはラクシャって呼んでください
もう国もありませんし姫とか王女とか呼ばれても・・」
「うーんじゃああたいのこともナディーナって気安く呼んでよ
姉貴は嫌がるだろうけどさ」
「はい、わかりましたナディーナ」
こうして私は風の王国に滞在することとなった。
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