第12話 訓練開始

私は今とんでもない化け物と対峙している

ランドルフ副団長という化け物に

「殿下、いつでも打ってきてください」

そういわれてもねぇ・・・

素人の私から見ても隙が全然ないんだけど

それでもこれは私のための剣術指南

頑張らないといけない

「いきます!はああああ!」

ガン!

本番ではないため怪我をしないよう木剣で稽古をつけているが

簡単に受け止められ受け流された。

「そのような正直すぎる剣筋では相手に読まれてしまいます」

そうはいっても私運動神経よくないんだけど・・

剣を持ったのも今が初めてだし

でもこの先強い敵を相手にするのなら何かしら武器を会得して戦えるようにならないといけないし

いつまでもBSKに頼るわけにもいかないわ

そう覚悟しまたランディへ木剣を打ち込んだ。

一日中素振りを行い時間があれば稽古をつけてもらった。

魔法に関してはというと・・・

「魔法は私の方が得意分野ですので

私が指南をさせていただきたく思います」

そういってきたのはジード団長だった。

「ジード団長、忙しいんじゃないですか?」

「ええ、忙しいです

ですが今後の世界の行方を左右させるなら時間などいくらでも作りますよ

殿下のためにね」

「あ、ありがとうございます」

「そこで、まず魔法への適正を調べる必要があります

魔法は使える人間と使えない人間がいましてね

知っていると思いますがデュランは転生者でもあるのですがなぜか魔法の適正がありませんでした。

それはなぜか?

単純に適正がなかっただけだったと

転生者だからなんでも使えるってわけでも強いってわけでもなくただギフトと呼ばれるものが得られる

そのギフトも様々ですがね」

「ギフトって私にもあるんですか?」

「それはご本人にしかわからないことですので殿下がなんのギフトをお持ちなのかは知りません

ですがあなたのギフトでしたら調べ方はわかります」

「じゃあ教えてください」

「簡単ですよ、神器であるアズマーダに聞けばよいのです」

え?そんな簡単なことだったんだ

アズマーダ、私のギフトってなんなの?

シラン

・・・・・・・え?

ワタシガ知ルワケガナイダロウ

「ええっと・・知らないといっているんですが」

「そうですか

これはまさか・・・」

「なにかわかったんですか?」

「いえ何もわかりませんね

ですが殿下のギフトは何かしらの制限下で発動するものかもしれませんね

これは私の憶測なのでなんとも言えませんが

とりあえず魔法の適正があるか調べていきましょう

私の考えが正しければ光の魔法が使えるはずです」

「光の魔法?」

「ええ、火の国で戦った時のことは覚えていますか?

あのときに使った光の弓がその光の魔法に値するのではないかと思っています。」

「ああ、あの弓矢

魔法だったんだ・・・。」

「センスもいいですし正直素晴らしい魔法でしたよ

まずは念じてください

なんでもいいです

物を具現化するよう念じてみてください。」

私は弓矢が出るよう念じてみた。

弓矢、弓矢、光の弓矢でて!

すると手の中に小さな光る弓矢が出てきて手に収まった。

「これ、魔法ですよね?」

「ええ、そうですね

ですがまだ魔力は小さいので弓矢の形状や大きさ光の強さなどが成長を表すと思いますので

それを強くするようにするのが今後の課題ですね。」

なるほど~なんかこれなら行けそうな気がする

剣術の方はだめだめだったけど

「あとは的に向かって射ってください

それで命中率が少しでも上がれば期待できそうです

使っているうちに魔力の量も増えるでしょうから

そのまま使っていっていただきましょう。」

私は時間がある限り的へ射ち続けた。

こうして私の訓練が開始されるのだった。




ーーしばらくして。ーー

もうすぐ風の国へ着きますね

「ランディ君、殿下をここへお連れしてください」

「は」

私は自室のベッドですやすや寝ていた

訓練の疲れがでていたようだ。

コンコン

「殿下、ランディです」

「ん・・あぁ、ごめんなさい今いきます」

私は起き上がり着替えて外に出た。

「もうついたのですか?」

「はい、もうじきつくとのことです」

私はランディ副団長についていった。

「殿下、お待ちしておりました。

もうじき風の国へ到着します。」

「風の国は・・・え?空中にあるの!?」

「ええ、空中都市ミラルボーズです」

その映像に写されていたのは空中に浮かぶ巨大都市だった。」

すごい・・こんなものまであるなんて

「ええまあ異世界で魔法の世界ですから

私たちの常識なんて遠く及びもしませんよ

ここでやっていくには常識を捨てなければなりません」

「まだ魔物の襲撃はなさそうですね」

「ええ、まだですがそのうち必ず来るでしょう

ですが私の予想が正しければかなりの苦戦をすることになるでしょう」

「それは魔物が強いってことですか?」

「ええ、それもありますが恐らくワイバーン辺りが襲撃してくるでしょう

その大型個体は恐らくドラゴン」

「ど!?どどどど、ドラゴン!?

それって倒せるのかしら・・・」

「2体の神器が協力すればなんとかなるのではと思っています

協力できればの話ですがね」

めちゃ意味深な感じのコメントなんだけど

「協力できない感じなんですか?」

「ええ、まあそこが今回風の国の神器の稼働を拒んでいる要因でもありますね

そこを解決しない限りまた殿下に苦労をさせてしまうかもしれませんが」

また私一人の独壇場なのかしら

「そうならないよう全力をつくすつもりではありますがもしそうなったときは訓練を思い出してください」

そうね、頑張ったんだもの

その成果を発揮するときだわ

「無理だけはしないでくださいね」

あなたがいう?

「これでも人情はあるのですよ

と前にも申しましたが

なるべく負担にならぬよう色々と手は打ってありますから御安心ください」

まあ何かしら結果的に助けられてるのはあるからまかせてもいいんだろうけど

なんか怖いのよね

と思っていると急に通信が入ってきた。

ブーンッ

スクリーンに写されていたのは美しい女性でゴーグルをおでこにつけていた。

「ようジード、早かったな

収容ドッグを開けておくからそこに停めてくれ」

「わかりました。

飛空挺をドッグへ停泊させてください。」

「はっ!」

私たちは空中都市に到着した。




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