第2話 滅亡の始まり
私の名前は、小宮 機姫(こみや きき)。
今年16歳の高校生。
ロボット大好き女子高生!世間ではオタク女子なんて呼ばれてる。
好きなもんはしょうがない
プラモデルも作ったり、ロボットのアニメなんかもよく見たりしてる。
まわりに同じ趣味の子が居ないから、いつも私はひとりぼっち
ぼっち最高!ぼっちでも最新のプラモ買いに行けるもん!
私の夢は、人型機動兵器に乗ること!
なんてまず無理だよね~、作るなんてのも無理無理!
プラモデル作って眺めて満足してる私。
今日も最新のプラモデルが発売される日で、私は玩具屋さんに並んでる。
同じプラモ好きの人こんなに居るのに、なんで趣味友ができないのかなぁ~?
まあ並んでいるのは男性が多いけど・・、もうこの際男性でもいいのに、
と私が思っていると私の順番がやってきた。
やったー!ついに手に入る!最新のプラモデル!
私がプラモデルを手にし、お会計をしていると急に地震が起きた。
ゴゴゴゴゴッ!!
「え、わ!地震!だめ!私のプラモ!」
私の持ってたプラモが手から滑り落ち地面に落下した。
地震が治まり私がプラモを拾い安堵していると、あ!危ない!
「え?」
地震の影響で、歩道に植えていた木が折れ私に向かって倒れてきた。
「え?なに?私死ぬの?まだこのプラモデル作ってないのに・・・。」
ダーーン!
私は木の下敷きになり絶命するのであった。
プラモデル作りたかったなぁ、心残りがプラモデルだなんて・・・。
そして私が目を覚ますと、小さい赤ん坊になっていた。
「おぎゃー!おぎゃー!」
(え!?私赤ちゃんになったの!?)
「妃様、元気な女の子ですよ。」
(紫色の髪に緑色の瞳、ここはまさか異世界ってやつじゃ?)
妃と呼ばれてるこの人、すごく優しい顔で美人!この人がお母さん?
「まあまあ、元気で可愛い女の子だこと。」
妃と呼ばれるお母様が、にっこりと笑いかけてくれた。
とても優しそうなお母さんで、お父さんはどんな人なんだんろう?と思っていると
「おぉ、産まれたか!?」
「元気な女の子ですよ」
「おぉワシそっくりじゃ」
「おぎゃあ?」(どこが?)
でも髪の色と瞳の色は同じ色だった。
それだけでそっくりって失礼よね。
それから少し経ち、6年の歳月がたった頃。
「お母様?」
「なあに?」
「この世界は、平和なんですか?」
突然の意味深な言葉に、お母様は言葉をつまらせ、目をパチパチさせていた。
「どうして、そんなことを聞くの?」
「この前本で読んだんです、この世界には魔物がいて、平和な世界を苦しめるんだって」
「大丈夫よ、昔の勇者様が悪い魔物を退治して、今は平和が訪れているから」
「もう魔物は、居ないの?」
「そうね、もう居ないと言われているわ」
私は少し安心した。なぜこんな質問をしたかというと、
書庫に古の戦争について書かれた本があったからだ。
女子高生から転生してきたせいか、この世界の文字を覚えるのにはそんなに時間は掛からなかった。6才になる頃にはある程度の文字が、読めるようになっていた。
この世界には魔物がいて、平和な世界を狙っていると、
でも魔物は滅んだと伝えられていて、ここ何百年も平和な世界が続いていると言われている。それより昔の時代の本は残っておらず何があったのか誰も知らない。
だから確かめておきたかった。本当に平和な世界なのかどうか。
不思議なのは500年後の世界について、書かれた本が存在しないことだ。
本当に存在しないのか、誰かが抹消したのか、この世界が500年くらいしか経っていない新しい世界なのか、どうにも気になる事だらけすぎて不安になる。
考えてもしょうがないからロボットの模型を作ることにした。
「お嬢様、このお人形は少し変わっていますね?」
お付きのメイドさんが、私の自信作の人型のロボットを見ながら答えてくれた。
「かっこいいでしょ?」
「かっこいい・・・?ですね。」
なんか無理矢理言わせたみたいでごめん。
それからさらに歳月が経ち、私は転生した歳の16才になった。
そして、誕生祭の日が訪れた。その日誰も予期せぬ事が起きる。
魔物の軍勢の突然の襲撃である。
ドガーン!
お城が揺れ、地響きが鳴った。
「何事だ!」
お父様が慌てて兵士に聞いた。
「それが!魔物の軍勢が攻めてきたとのことです!!」
「な!なんだと!?」
「魔物は遥か昔に滅んだのではなかったのか!?」
「窓から外をみるとそこには残酷な現実が浮かび上がっていた。」
「な、なんて数だ・・・!」
魔物の数は数え切れるものではなく何千とそこには居た。
「大至急皆を避難させろ!」
「戦えるものは武器をとれ!」
「ラクシャ!お母さんをつれて逃げるんだ!ジョセフ!あとは任せたぞ!
「はっ!」
お父様と兵士の人たちは、武器を取り魔物の軍勢へと向かっていった。
ジョセフと呼ばれた年配の男性執事は、私が小さい頃からお世話になっている私付きの専属の執事だ。
「ラクシャ、これからいう事をよく聞いて、あなたは何があってもこの城から逃げ出すの、私はここに残り皆が避難できるよう勤めます。」
「お母様!」
「それが王妃の務めなの、ジョセフもお願いね」
「はっ!この命にかえましても」
「お母様あぁ!」
「姫様!参りましょう!」
ドッガーン!
また何かが城にぶつかったような音がなり、地響きと共に地面が揺れた。
その時柱が崩れ私の方へ倒れてきた。
「えぇ!またぁ!?」
と、思ったらじいやが飛び込んできて、助けてくれた。
私は頭を打ち、気を失うのだった。
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