第6話 ルイとシャケファンタと日常回?

 魔術学園の平和な日常――それは混沌であり、災厄であり、なぜか笑いが絶えない。


「お世話になってます、シャケファンタ部長」


 僕、ナゲキ・ルイは、錬金術部の騒動の後始末として、今日は幻想生物召喚研究部に謝罪へ来ていた。


 エルフの女性、サーモン・ファンタ部長が優雅に紅茶を啜りながら睨んでくる。


「サーモン・ファンタだ、ちゃんと呼べ」


「すみません、鮭ソーダのほうがよかったですか?」


「意味はわからんが馬鹿にしているな?」


「そんなことはありません」


 召喚部の部室には謎の異世界植物やら、封印された魔法陣が並び、いかにも危険な雰囲気が漂う。


「で、何の用だ?また何か盗み出したのか?」


「いえ、今日は真面目に謝罪とお詫びだけです。ドラゴン素材、ちゃんと分け前持ってきました」


 ルイは鞄から、肉厚なドラゴンステーキと鱗細工を取り出した。


「……さすが錬金術部だな」


 多分ほめてないと思う

 サーモン部長は呆れ顔ながらもどこか納得顔。いやあきらめているようだ。


 そこへ錬金術部の部長がひょっこり顔を出した。


「よっルイくん、謝罪は順調かい?」


「ええ、だいたいは。問題は貴女の存在ですけど」


「失礼な。私ほど平和で良識ある部長もそうはいないだろう?」


「どの口が言うんですか、嘆かわしい」


 その後も、錬金術部と召喚部の日常的な押し問答は続いた。


 それが、この学園のいつもの光景なのだ。

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