暗澹に霹靂
七理チアキ
暗澹に霹靂
春の夜の 肌を突き刺す 吹き荒ぶ
暗影の床 轟音なりせば
ただ委ねるのならば その身を揺らし
漸次 鼓膜と網膜さえも
迅雷により 朦朧となる知覚
現し世の中 夢に揺蕩う
歪みゆく 輪郭なくし 沈みゆく
この洪水の 流れ着く先
薄霧に 群れなす群れに 綯い交ぜに
即ち狂乱の宴なり
ただ此の手を伸ばし 愛しの大君
捧ぐ衝動 見返りもなく
模倣の翼では 届かぬ紺碧
故に孤独 触れ得ぬ才覚
セイリオス 暗転に 瞼を下ろす
此れが終焉 耳に残響
回想する 彼の夜 十と八年
憧れの園 別れに慟哭
誰が為に 妖艶なるネオンが灯る
新宿駅へ 遠い回廊
暗澹に霹靂 七理チアキ @shichiri
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