第7話 トランプでこの混沌を
「今月の会議を始める。」ここは、魔王城。勇者達をここまで誘導するために日々研究をしている。僕は、この研究課の所長をしている。まあ、管理者みたいなものと考えてもらってよい。ここでは、魔法の研究、禁忌の研究、薬の研究などをしている。禁忌の研究は、これを使ってしまうと、勇者が強くなりすぎて無双をしてしまう。これだけは避けなければならない。そうだ、忘れていることがあった。この世界のバグを見つけることもする。今見ている方は、この世界はゲームの世界なのかなと、考えていることだろう。しかし、そうではないのだ。確かに、さっきバグや、勇者が強くなってしまうなんてそんなメタ的な話だと思うだろう。だがこれは、長い長い歴史の中で生まれたものなのだ。少し、昔話になってしまうが。ある日、魔王が生まれた。その魔王は世界を支配しようとした。だが、それを倒そうといろんな者が立ち上がった。最終的にその魔王城にたどり着いた者がいた。そいつは、好青年で、素直で、仲間がいた。魔王城についた一行は、魔王と激戦を三日三晩続けた。その一行は見事魔王を倒した。国に戻ったその一行は、国全体であがめられた。一生で使いきれない金銀財宝をその一行は貰った。没後、そのリーダーをのちに勇者と命名した。この勇者が死んだ後、こんなことが起こった。勇者の墓が黒い霧に囲まれた。その霧はどんどん大きくなっていき国全体、いや世界全体を包み込んだ。そしたら、あることが起こった。全ての人が魔物になった。勇者の墓は、形を変えて魔王城になり。勇者の骨は、また形を変えた魔王になった。その横で、魔王軍の残党は、人間になっていった。なぜ、このようなことが起きたのか。それは、初代魔王の呪いによるものである。その呪いとは、自分の立場をこいつらに味わってもらうことの呪いである。これが、この世界をややこしくしている元凶なのだ。だが、2代目勇者だけこの事実を知らない。逆に言えばそれ以外はこの惨事について知っているのだ。この事件が起きてから早10000年がたった。現在丁度魔王100代目。10000年も経っているのにまだ100代目だと思われるかもしれないが、これが起きるのに年単位の間隔があるのだ。だから、難しい。でも、期間が決まっているのだ。だから、一応準備はできるのだ。先にもいったが、人間が魔物に変わり魔物が人間に変わる。これが、体にすごい負荷がかかるのだ。これのせいで、全人口(魔物、人間含む)の約20%が亡くなってしまうのだ。これは、大変である。なので、私の薬の研究なのだ。この薬、体の負担を減らしているのだ。この薬のおかげで、だいぶ死亡率が低くなった。なんと驚異の約0.5%にまで抑えれたのだ。これのおかげでとりあえずは大丈夫なのだ。皆さんの中で一つ疑問が浮かぶであろう。勇者って、魔物倒すよね。ってことだ。そこは大丈夫なのだ。魔物死んだ後、黒い霧になる。勇者が魔王を倒した後。その黒い霧から人間に戻るのだ。それも、また体にすごい負荷がかかる。これも私の作った薬を使って減らしている。まあ、そんなことがあって今だ。今回は、一か月に一度の定期会議だ。いつもは、なんでもない今までどうやって進んでいるか。従業員は健康はなどを話すだけである。だが、今回は、一味違う。なぜなら、この時代を変えることができるかもしれないのだ。「と、言うとどういうことなのだ?」僕は、ある物を取り出した。「こちらです。」魔王は、それを手に取り眺めた。「このトランプがこの世界の役に立つのか?」僕は、立ち上がって「そうなんです!こちらのトランプ54枚あります。これを使ってですね。なんと、すごいことが起きるんです。」鍛冶所長が少し怒りながら「そいつで何ができるのだ」僕は、鍛冶にそのトランプの1枚を取り出して見せた。「まずこちら、なんですか?」鍛冶はじっくり見て「スペードのAだな。」「そうです!これをですね。一人につけるんですよ。せっかくなら、そうですね。左腕に貼ってください」鍛冶は、そのトランプを渋々、左腕に貼った。「これでいいのか」貼ったのを見て「そうです、いいですね。そして、このトランプの人間の絵が描いたジョーカーを出します。これをその腕部に貼ります。そうすると、ほら」鍛冶の左腕は、みるみるうちに人間の腕になった。鍛冶は驚いて「なんだこれは、」僕は、自慢げに「これが、今回の作品です!すごいですよね。」魔王は、それをみて少し訝しげな表情をしていた。だが、その人間になった腕を触って確信になった。「これは、幻想だな。」僕は、頭を掻きながら「そうなんですよね。見た目だけ人間の形にはなるんですが、これ以上は難しいんですよね。」指揮長は「それでは、意味がない」魔王は、首を横に振り「いや、そんなことは無い。もしかしたら。もしかするかもしれない。これを使えば、この呪縛から解き放たれるかもしれぬ。そうだな。司書(歴史研究)長」司書は読んでいた本から目を離して「そうですね。初代魔王は、俺と同じことをさせる。と、いっているのであれば、全員が同じであれば、終わると、いうことですね。」「では、皆さんのところに行ってやってきますね。」と、引継ぎ資料にはそう書いていた。「11代目魔王様これから、何か変わったのでしょうか?」「いや、なにも」
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