第3話 幽霊と来訪者2

「それにしてもこの街は相変わらず日光が不快だ。作り物ならそれらしくが似合うと常々思っていたんだ。」

「のっぺらぼう。言いえて妙ですね。お天道様が見てない今なら悪いことしてもお咎めなしってことですか。」

二人は商店街を少し進んだとこで路地裏のネオンライトに消えていく。言っておくが、天幕に月は映らない。




軒先に待ち人あり。ロングコートにトランクケースでいかにも旅人のいでたちである。つややかな栗髪を後ろでまとめた美人は右手をすっと上げてて気だるげに挨拶する。「ご苦労さん、コクトー。昨日言っておいたおつかいは済んでいるな。」「おはようございます、師匠。寒いので話は中でしましょう。」

廃ビルの2階、探偵事務所にキッチンを足した内装の部屋で二人は計画を確認する。

「だいたいは前に話した通りです。僕がマスター、アズさんがヴァンパイアを足止めします。赤枝との一対一に持ち込めれば僕らの勝ちです。赤枝はすでに潜伏中とのことなので、接敵したら連絡をお願いします。」






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Old Wise Man 一片 @toko-cocteau

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