第2話私の人生を賭けて貴方を幸せにします
「流星さんの左目は一生光を映すことは無いです」
今現在、親父と一緒に医者から怪我の具合を、聞いていた。
病院に着いて1時間もしないくらいに親父は病室に飛び込んで来た。病院から連絡があったのか。親父は仕事を切り上げて病院に急いで来たらしく、顔には汗が滲んでおり、呼吸が整ってないのか肩が激しく上下していた。
俺は病院に運ばれすぐに額から顎にかけて線に切れていたので、すぐに顔を縫われて左側が包帯で覆われていた。
「え?もう一度お願いします」
「流星さんの左目は失明されてます」
隣に座っている親父が現実が受け入れられないとでもいうように、無意味とわかっていても医者にもう一度尋ねるが、再度非情な現実が伝えられるだけだった。
俺はというと何処か楽観視していた。確かに自分の左目が見えなくなったことは悲しいが。例えば、左足切断とか歩けなくなるわけでも無いし、左目は見えなくても右目は残っているから少し不自由なるが右目残ってるし何とかなるだろ精神だった。
隣を見ると親父は俯きながら涙を流していた。
そのことが何よりと辛かった。親父が涙を流すのなんてお袋が男と借金をして夜逃げして以来だ。
それからは父子家庭になったが、男二人で家事とかは最初慣れなかったが、親父とは二人三脚で今まで頑張ってきた。
説明を聞き終えた俺たち特に親父は実の息子が片目見えなくなったのが。ショックなのか空気がどんよりしていた。空気を変える為にテンション上げて話す雰囲気でも無いしどうしようか思っていると、廊下に助けた女の子が立っていた。
改めて容姿を見てみるととても整っているな。琥珀色の瞳に何処か灰色がかった銀髪は綺麗で腰まで長い髪はウェーブがかかっている。
「すみませんでした!!」
いきなり、彼女は俺と親父の前で土下座をした。
土下座まで所作があまりにも早すぎて止める暇さえなかった。さっきまでどんよりしていた親父も目が点になっている。俺も同じだ。ハッとなり親父が急いで止め掛かる。
「顔を上げてください!どうされたんですか!?」
「
再度、頭を下げる優子さん…
「俺が勝手にしたことですから優子さんは悪く無いです。看板が落ちてきたのは不運だったとかしか言いようがありませんから」
「いえ、私が納得出来ないです。これから私の人生は貴方のために存在します。私が人生を賭けて貴方を幸せにすることをこの場で命を賭けて約束いたします」
少女は本当に覚悟しているのか。目がマジすぎて心の底から本気で言ってるんだなってことが伝わる。
「いやいや!人生賭けなくていいですよ!」
「そうですよ、流星の言う通り貴方は悪く無いですから気に病まないでください」
あまりに優子さんの目が本気なので、親父と俺で必死にその必要はないと伝える。俺的には、その感情は重すぎる。なにより一人が気楽で好きなのにあんまり面識のない。女の子の人生を預けられても困るだけだ。
「じゃあ、私は必要ないですね」
彼女は徐にカッターを懐から取り出す。いきなりカッターを出されて俺も親父も周りの看護師たちも硬直する。
優子さんは躊躇なく喉にカッターの刃を突き立てようとして、ギリギリで俺が手で止める。カッターを急いで取り上げる。
「ちょちょっと!!何考えてんだ!!」
人が目前で命を経とうとしたら、口調も荒くなるってもんだ。
「だって、私必要ないですよね?」
「必要だ!!俺を幸せにしてくれよ!」
優子さんに生きて欲しくて叫ぶ。何より自分のせいで人が死ぬのはきっと耐えられない。
叫んだことによって病院の迷惑になって周りが俺たちに注目しているが今はどうでもいい。後で謝れば許して貰えるはず。
「はい!私が幸せにします!絶対に絶対にぜーったい」
優子さんは花が咲くような笑顔で俺の手を握りながら、宣言した。
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