黒板の引っ掻き音

ナナミ

第1話

 この間休み時間に、教室で黒板を引っ掻いている奴がいたんだが、うるさくて仕方なかった。キィー、って高い音が鳴るやつ。


 クラスメイトは騒いでたけど、俺は平気だった。ただただうるさかった。早く止めて欲しかったけどな。


 皆、キャー!やめろ!って悲鳴や叫び声をあげてるし。黒板を引っ掻く音はうるさいし。暫くして収まったけれど、やった奴は周りを囲まれて、罵声を浴びせられて項垂れてたわ。まあ自業自得だろ。


 ちなみに俺は食器が擦れる音が苦手だ。耳を塞ぎたくなる。



 ところであんなにやかましかったのに、右の耳元で声が聞こえたんだよな。囁くような女子の声だった。突然のことで心臓の鼓動が速くなった。



「聞こえてる?」



 今の声は?


 まさか、女子が話しかけて来たのか?心臓が更に早く脈打つ。今俺に彼女はいない。まさか女子と付き合うことになったりして……!俺はゆっくりと右に視線を向けた。


 そしたら右隣の女子は可愛い顔を歪めて嫌そうに耳に塞いで座っていた。え、今のあの子?あんな状態で、俺に話しかけて来たの?俺は恐る恐る聞いてみた。


「今、俺に何か言ったか?」


 その女子は俺を見て、目を吊り上げて睨み付けた。


「あんな音の中、言うわけないでしょ!」


 怒られた。


「悪い、そうだよな。」


 頭を下げる俺に、女子は聞いて来た。


「貴方は平気なの!?私は鳥肌が立ったわ!」


 そう言って、女子は腕を摩っていた。それに、俺は眉を下げて言った。


「いや、……うるさいだけで。」


「そう!良かったわね!羨ましいわ!」


 彼女、ツン、とそっぽを向いてしまった。俺は頭を掻く。後でもう一回謝るか。


 しかし左の女子の席とは少し離れてるし、今の誰だったんだろうな。



 ところで最近スマホに非通知の電話が多いんだよ。困るよな。何か不気味だし。


 留守電が残ってたこともあって、あまりに多いんで試しに聞いてみたら、ザー、ザー、って音以外何にも聞こえないんだよ。やっぱり無視が一番だよな。全く迷惑な話だ。



 最近近所の犬にワンワン!って吠えられることが多いし。散歩してる犬を見かけると、すれ違う犬全部に吠えられるんだ。


 変だろ?


 飼い主さんがすみません、と頭下げて、リードを引いて離そうとするんだけど、犬は親の仇を見るような目で吠えてくるんだ。


 俺犬が好きなのにな。流石にへこんだわ。



 本当に付いてないよなー。今度友達を誘って今度どっか出かけようかな。どうせなら遠いところに行きてえな。


 そしたら気分転換になるだろ?



◇◇◇



・ノンフィクション:シチュエーション

 黒板の引っ掻き音を聞きましたが、自分はうるさいだけで平気でした。周りは悲鳴をあげていました。


・小説と違うこと 後は全部フィクション


 ちなみにやった犯人は笑っていました。全く悪びれていませんでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

黒板の引っ掻き音 ナナミ @nami6108

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画