第28話:師と弟子、最後の音合わせ
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@Tsukishima_Hibiki 2026/03/07 15:00:00 JST
#最後のレッスン #ドラム修行 #怜さんの教え
今日は怜さんとの最後のドラムレッスン!
寂しいけど、今まで教わったことを全部吸収するぞ!
私のドラム、どこまで成長したかな?
@RefrainBeat_KANA 2026/03/07 15:30:00 JST
#師弟の絆 #卒業
響ちゃんと怜さん、本当に素敵な師弟関係だね。
二人の音合わせ、目に焼き付けておこう。
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リズムガーデンのスタジオは、
いつもより張り詰めた空気に包まれていた。
コーヒーの香りが、
微かに汗の匂いと混じる。
今日は、怜が響に
ドラムの最後のレッスンを行う日だ。
窓から差し込む光が、
ドラムセットに反射し、キラキラと輝く。
怜はドラムセットの横に立ち、
響の演奏を見つめていた。
【最後のレッスン、響の成長】
響のドラムは、
以前にも増して力強く、正確になっている。
そのスティック捌きは、
怜の教えを完璧に吸収し、
さらに響自身の個性を加えていた。
複雑なフィルインも、淀みなく叩き出す。
ドオン、タタン、ズドン――
スタジオの壁が、
その音圧で微かに震える。
怜は響の成長を肌で感じながら、
時に厳しく、時に優しく指導する。
彼女の目は、
響の一打一打を、
まるで魂を見通すかのように捉えていた。
「お前の音だ。もう迷うな。」
怜の言葉には、
響への揺るぎない信頼と、
大きな期待が込められている。
響は、怜の指導を真剣な眼差しで受け止める。
その瞳は、
師からの言葉を一言も聞き漏らすまいと、
強く輝いていた。
二人の間に、
言葉以上の深い師弟の絆が感じられる。
まるで、二つの魂が
音を通じて共鳴し合っているかのようだ。
(この音…私が望んだ、もう一つの音だ。
かつては孤独だった私の音楽が、
今、響の中で確かに生きている。
これは、私だけの音ではない。
私がかつて失ったもの全てが、
ここで報われている。)
レッスンが終わり、
怜は響の肩をポンと叩いた。
響は深々と頭を下げる。
その背中は、
以前よりもずっと大きく見えた。
【音の継承、心の鼓動】
怜は、響のドラムを見つめながら、
かつて自分がドラムを教えた
日々を思い出す。
初めてスティックを握らせた時の、
ぎこちない指先。
リズムのずれに、
悔しそうに顔を歪めた姿。
そして、今。
響は、怜に教わった
ドラムセットのメンテナンスを完璧にこなしている。
一つ一つのパーツを丁寧に磨き、
ドラムヘッドの張りを細かく調整する。
その手つきは、怜自身と寸分違わない。
(もう、私の手は必要ないか。)
怜の心に、
微かな寂しさがよぎった。
しかし、その寂しさと共に、
得も言われぬ喜びも感じる。
それは、自らが育てた芽が、
力強く根を張り、
大輪の花を咲かせようとしているのを見るような喜びだ。
怜は、響に問いかける。
その声には、
わずかな挑戦と、深い期待が混じっていた。
「…お前は、私を越えられるか」
響は真っ直ぐな瞳で怜を見つめ、
その眼差しには、
師への尊敬と、
自身の成長への確信が宿る。
「はい!必ず!」
力強く答える響に、怜は小さく微笑む。
(悪くない。
この鼓動は、もう止められない。
私の音楽は、響の中で
新たな命を得て、響き続ける。
それは、私自身の音楽への
完全な復帰であり、
そして、私を超えていく未来の音だ。
私の全てが、この音に託されている。)
怜の心の中で、
音楽への完全な復帰への確信が深まる。
それは、かつての孤独を乗り越え、
新たな道を見つけた者の、
静かなる確信だった。
【卒業の季節、新たな始まり】
レッスンを終えた怜が、
カフェスペースに戻ると、
奏、梓咲、結月が揃って
彼女を見つめていた。
彼女たちの顔には、
卒業を目前に控えた、
期待と、微かな寂しさが入り混じる。
春の陽光が、
彼女たちの横顔を優しく照らしていた。
奏が寂しそうに呟いた。
「もうすぐ卒業だね、怜さん…」
その声には、
別れの寂しさが滲む。
結月は、そんな奏の肩にそっと手を置く。
「それぞれの道、きっと輝きますわ」
彼女の声には、
未来への希望が込められていた。
怜は彼女たち一人ひとりの顔を見つめる。
奏の純粋さ。
梓咲の知的な探求心。
結月の持つ、揺るぎない覚悟。
それぞれの個性と、
音楽への情熱。
そして、彼らがこの場所で成長してきた日々。
怜は静かに頷く。
(後悔だけはするな。
お前たちの音を、信じろ。
自分の選んだ道を、
迷わず進め。
それが、真の自由だ。
私にはできなかった、
その自由を、お前たちは手に入れるのだ。)
リズムガーデンは、
別れの季節を迎えつつも、
新たな始まりの予感に満ちていた。
コーヒーの香りが、
彼女たちの旅立ちを祝福するかのようだ。
怜の心には、
満ち足りた喜びが広がっていた。
それは、彼女自身の新たな役割への、
静かなる確信でもあった。
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@Tsukishima_Hibiki 2026/03/07 18:00:00 JST
#最後のレッスン #ドラム修行 #怜さんの教え
今日、怜さんとドラムセットの最後の音合わせ!
寂しいけど、今まで教わったこと全部吸収したぞ!
私のドラム、きっと成長したはず!
@RefrainBeat_KANA 2026/03/07 18:30:00 JST
#師弟の絆 #卒業
響ちゃんと怜さん、本当に素敵な師弟関係だね。
二人の音合わせ、目に焼き付けておこう。
私たちのバンド、みんながどんどん成長していくのが嬉しいな。
@RhythmGarden_Ray 2026/03/07 19:00:00 JST
#後継者 #成長 #手放す喜び
案外、こういうのも悪くない。
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【次回予告】
奏:「もうすぐ卒業だね、怜さん…」
響:「怜さんから、最後のレッスン!?」
怜:「…覚悟しろ」
次話 第29話:リズムの交流、新たな可能性
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