第32話 祭典、佳境に入る
このようにして、世界中の度肝を抜いてスタートした、この『世紀の祭典』は、かくも異様な光景を世界中に晒(さら)しながらも、粛々と進んで行ったのである。
まず最初の競技は、「真の美人コンテスト」からである。
この競技は、顔や、スタイルは勿論、「アソコの綺麗さ」も審査対象だったのだ。
ジパング(日本)の製薬会社で開発された「アソコ・ピンク」と言うリップ型の医薬品も、世界中で売れに売れたのも、凄く頷ける。
しかし、これも良く良く考えてみれば、「異常で変態」的な化粧品と言うか薬剤なのであろうが、既にこの異様な大会に、世界中の目が向いている以上、誰もが目が眩んでしまい、堂々と抗議したのは、例のこの『世紀の祭典』に反対する団体のみであった。
その団体ですら、果たして、何処まで本気で反対していたかは、知る由も無いのだが……。
次に開催されたのは、世界中の男性らが待ちに待った「巨根コンテスト」である。
これも、通常時の大きさ部門と、勃起時部門とがあるが、ただ、アレさえ大きければ、そして優勝すれば、アメリカン・ドルで、100万ドルも貰えるのだ。
なお、申し遅れたのだが、この『世紀の祭典』の出場旅費は、基本的にはその出場国が持つのであるが、難民などの自国の存在がハッキリしない者で、世界各地で一斉に実施された予選会を突破して、出場要件を満たした参加者や、叉はそれに準じる者は、その旅費は、全額、ハメセンブルク公国持ちなのである。
だからこそ、自分に自信のある男性は、これを世界中に発信したくて、ならなかったのである。
しかしこの会場では、CGや生成AIでの画像等は全く通用しないし、長さや太さは、デジタル解析カメラで、0.1ミリ単位で計られるので、如何なるインチキも通用しない。
このようにして、ただただ、淡々としてこの『世紀の祭典』は進んで行ったのである。
だが、流石に、例の「人間ルーレット」当たりから、予想通りと言えばいいのだろうが、世界中の女性達から、猛烈な抗議が、ハメセンブルク公国に来始めたのである。
「女性蔑視」「女性の人権蹂躙」等々なのだ。
ここで、遂に、デスラー社の人型男性応対用アンドロイドの「セクサロイド」2号機以降の登場と相成ったのである。
まるで、漫画や映画のようにだ。
全体がデスラー社からの無償貸与で、その数は、結局、全部で56体となった。
当初、思っていたより、「セクサロイド」の数は少なくなったのだが、それは考え方が進んだ国では、本物の女性達も平気で出場して来たからなのである。
何しろ、ここに出場して来る女性陣は、皆、百戦錬磨の女性達であって、相手国の男性の挑戦者達を、あざ笑うかのように、次々と締め上げて、この競技から、脱落させていったと言う。
これを横で見ていた、生成AI搭載の「セクサロイド」らは、直ぐにそれを知的に学習し、この競技に参加している人間の女性並みに、相手男性のアレを徹底的に締め上げて、同じくギブアップを奪って行った。
なおこれから以外にも、数々の競技が実施されたが、あまりに変態的で酷い内容の為に、ここから、全ての競技を割愛させて頂くが、まあ、読者御自身で想像してみて欲しいのだ。
ここで余り詳細に書くと、それこそ、投稿自体が強制的に削除されてしまうからでもあるのだが。
こうして、競技も徐々に終わりに近づき、ソロソロ、終わりに近くなって行く。
競技の参加者達は、選手村で、無料で腹一杯喰える料理と、上手い酒を堪能していた。そもそもこのような大会に参加して来る人間達である。
恥も外聞も有ったものでも無いのだ。
この選手村自体が、一種の乱交パーティ会場のようになっていった為、「ドキシペップ」などの、抗性病薬はあっという間に、緊急医師待機センターから、消えて言ったと言う。
まあ、それも、最初から想定されていた事であり、ハメセンブルク公国の大会関係者達は、誰1人も驚きもせずに、実に、事務的に淡々と対応して行ったのだ。
さて、競技は、徐々に、最終段階に近づいて来ている。
しかし、ここで特筆すべきは、この『世紀の祭典』の開催中、世界中のありとあらゆる紛争地域、内戦地域、宗教間対立が、全て一斉に止んだ事だった。
これは、正に人類の歴史上、かって一度もあり得無かった事であって、この事実こそが、この『世紀の祭典』のある意味の正当性が、現実に証明された証拠だと言っても、誰も、文句は言えなかったのだ。
何しろ、つい今まで、敵兵を殺傷用に機関銃や手榴弾を持ち、攻撃用ドローン等を操作していた戦場の兵士達ですら、自分らが興味のある面白い競技があると、これらの兵器を側に置いて、スマホ等にかじりついていたと言う。
事実上の戦争へのボイコットと変わらなかった、と言うのだから、この『世紀の祭典』の開催が、如何に、大きな影響を、この全世界に与えたと言う事が、理解出来るであろう。
やがて、どこかの国からか、ハメセンブルク公国のペーニス国王、つまり、このジジイに、ノーヘル平和賞との声も上がって来た程である。
だが、このノーヘル賞は、ハメセンブルク公国が開催しており、かのノーヘル財団も存在している。
これは、我田引水的行為と見做され、即、その声は消えて行ったのだが……。
さて、競技は進み、あの大問題となった『性行的遊戯(ゲーム オブ セックス)』の「五重の塔」での競技の開催が行われる事になった。
そろそろ、この物語りも佳境に入って来たと言って良いのかもしれない。
だがである。ここで、今までの話を全て簡潔に総括すれば、『ジジイの卑猥な冒険』ではあっても、決して『ジジイの奇妙な冒険』には、ならないのである。
実に、ここからが、この物語りを、根底から覆す、衝撃の物語りに発展して行くのであった。
このジパング(日本)を心の古里に持つジジイ、イヤ、ペーニス国王は、次に起こるべき、衝撃的で驚愕的で、驚天動地の話を、まだ、この競技が始まるまでは、知る由も無かったのである。
ボンヤリと、自分の実績と言うか、「やり遂げた事」に、ユックリと、その感動に浸っていただけだったのである。
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