第30話 募集開始

 さて、このジジイ、ペーニス国王と、「セクサロイド」のマーガレット嬢の国連演説が終わってから、世界中は、いよいよ火がついたように、騒々しい状態へと突入して行ったのである。


 再度、述べるのだが、何しろ、参加国の制限は一切無いのだし、難民でさえ事前に実施予定の予選会さえ突破できれば出場できるのだし、人並み外れた性欲や精力さえあれば参加は可能だし、金メダル授与者には、アメリカン・ドルに換算して1人に付き100万ドルの現金が貰えるのである。

 男女のペアで出場すれば、合計で200万ドルになる。これに参加しない手は無い。


 また、今まで、女性参加者の募集自体が色色と問題を提起していた、例の『性行的遊技』の「五重の塔」の戦い、いや、競技にも、人型男性応対用アンドロイドの「セクサロイド」を、デスラー社から、100体以上も無償貸与を受ける事が確定してい為、

「我こそは、セックス能力世界一だ!」と、挑戦を公言する参加者が急増した。


 各国で、この『世紀の祭典』への参加の為の事前選考会が、次々に、実施されて行ったのである。


 それは、燎原の火のように燃え盛り、世界中に拡散して行った。

 その勢いはあまりにも、強烈で、激烈であり、この流れは、誰にも止められ無い程になっていたのである。


 また、これは決してあってはならない話だが、某貧困国では、連続強姦犯で刑務所に収監中の極悪人を、特別恩赦を適用して刑務所から無理矢理に出所させ、その国の代表として出場させると言う噂話まで、漏れ伝わって来た程である。

 そこで、当該本人曰く、

「この俺は、全身が生殖器で出来ているのや!」と豪語していたと聞くのだが、こうなると、この国の判断自体が、もはや、完全に一線を越えて来ているのでのかも知れない。

  

 このように、ある意味、世界中の戦闘中の兵士や、テロリストや、狂気の独裁者の目を、この『世紀の祭典』に向けさせ、厭戦気分を拡大し、ひいては、世界平和の実現を図る目的だった筈なのに、何時からか、ネジが1本も2本も外れて来たようにも、思えて来たので有る。


 ただ、逆に言えば、徐々にだが、世界中での内戦や、国際紛争、宗教対立での争いは減って来ており、特に、極端に激減した来たのは、世界各地で起きていたテロ事件であった。

 これは、世界的に高名な有識者の分析によれば、無益なテロ事件を起こすよりも、『世紀の祭典』への参加の方が、メリットが大きい事に、各人が目覚めた為であろうとも語っていた程だ。

 つまり、それなりの効果が出て来たのも、どうにも否定が出来無くなったのである。


 また、この前のジジイ、このペーニス国王の国連演説により、『世紀の祭典』の初回に、実施予定の「真実の世界一の美女」コンテストの内容とは、

 今までの普通の「美人コンテスト」ならば、あくまで、顔やスタイルの美しさを競うだけだったのに対し、この「真実の世界一の美女」コンテストでは、顔やスタイルは勿論、女性のアソコの綺麗さをも同時に審査の対象になると言う事が分かったのだが、

 早速、ジパング(日本)の製薬会社では、アソコに塗るだけで完璧な薔薇の花のような美しい色合いにすると言う触れ込みの、「アソコ・ピンク」と言うリップ型の医薬品を開発させ、売りに出されたと言うのである。

 これは、発売後、わずか1週間で、世界中から500万本の予約注文が入り、製薬会社の工場では、3交代制の緊急増産体制に入ったと聞いたのだ。


 まだ、日本人の心が半分は残っているこのジジイには、流石、商魂逞しい自分の古里でもあるジパング(日本)の強(したた)かさに、舌を巻いたものだった。


 世界で最初に「セクサロイド」を開発した、アメリカン合衆国のデスラー社と言い、このジパング(日本)の製薬会社と言い、人類の秘められた潜在能力の高さに、まだ、人類もそうそう捨てたものでも無いと、再考させられたのである。

 まだ、この人類の未来は、何とか、なるのかも知れないのだ。


 だが、既に、このジジイ、つまりペーニス国王、その妻のカトリーヌ王妃、イーロン・ガスマスク氏の3人が同時に見た人類最期の日、西暦2035年7月5日とは、では一体、何を意味しているのであろう?


 一応は、世界最終戦争の日であり、一発の核ミサイルの発射から、全面核戦争になると言う夢だったのだが……。


 今の状況が続けば、今日、明日とは言えないものの、もしかしたら、本当に世界平和が実現できるかも知れないような期待感が、出て来ているこの頃になって、何故、そのような事態が生じるだろうか?

 この点が、不思議な疑問として、沸々と湧いて来たのだが?

 だが、この明確な回答は、どうしても、解き明かせなかったのである。


 だが、ここで、ある不気味なニュースが入って来たのだ。

 あの連続強姦犯で刑務所に収監中の極悪人を特別恩赦で刑務所から出所させ、その国の代表として出場させるつもりだった、某貧困国での事である。

 『世紀の祭典』の最終出場者の審査中に、何と、その会場にいた審査員をしていた女性職員に急に遅いかかり、目茶苦茶に強姦行為を行った、とか。

 結局、再び、刑務所に収監された。結局、無期懲役になってしまった。

 これが、このジジイには、何となく、『世紀の祭典』の開催に際し、何故か、嫌な感じを覚えさせたのである。


「やっぱり、あの国の連続強姦犯は、変態は、変態だな?」と、このジジイ、ペーニス国王が、Xに投稿した所、


「何を言ってやがる、そう言うお前こそが、一国の国王のくせに、こんな馬鹿な事を考え出して、本物の変態じゃねえか」


「イヤ、折角の、開催を待ちに待っている、この俺らの、邪魔をするで無い」


「そう言う、お前も、単なる変態だろう」


「いや、とやかく、文句を言う、お前こそ、隠れたる変態だ」


「そう言う、お前にだけは、言われたくないわ」

 

 このように、SNS上では、収集が付かない程の、無茶苦茶な意見の投稿が相次いだのである。


 これが、更に、この『世紀の祭典』の開催の期待値を上げて行ったのである。


 このように、各国で、また、当該大会の開催国のハメセンブルク公国での、開催準備が、着々と進んで行った事だけは、揺るぎの無い、事実だったのだ。


 

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