予想外の「癒し」パワーに、読後の幸福感が凄かったです。
主人公であるタカシは恋人のユイと同棲を始めて二年になる。ユイの作ってくれる料理を食べる、平和な時間。
でもある日、タカシはユイが「なんらかの秘密」を隠していることに気付いてしまう。
もしかして、それは自分にとって「良くない何か」ではないか。そんな不安がよぎる中で、ついにその正体を知ることに……
相変わらず、なんといっても料理の描写が素晴らしい。ベーコンを焼き、そこに卵を投入する描写。
「ベーコンから旨味タップリの脂が出てくる。そこへ卵を割り入れる」という。
もう、ベーコンの香ばしさが伝わってくるようで、ジュージューという音まで耳元で響くようでした。
料理を作る幸福感。料理を食べる幸福感。それらがとにかく鮮明に堪能できることがまず魅力です。
そして最終的に提示される「事実」。これ、すごくいいな、と強烈に思います。子供は欲しくないと言っているタカシとユイ。そんな二人の日常に訪れた変化。この先も楽しいことがたくさん起こりそうで、読んでいて幸せな気持ちになりました。