トラックに轢かれたらTSしていたのでvtuberになろうと思います!
つき
第1話 転生トラック?否!TSトラックだー!
「明日から夏休みですが、夏休みだからといって羽目をはずしすぎないように。それでは気をつけて帰ってください」
先生がそう言い、SHRが終わる。
周りのクラスメイト達は帰宅の準備をするか友達と駄弁る。
僕はその様子を見ながら一人で帰宅の準備をして、そのまま帰路についた。
そんなボッチ(偏見)のような行動をしている僕の名前は水無月碧、高校3年生であってコミュ障である。
そして帰宅していた僕は今、人生の分岐点に立たされている。何故かと言うと今僕がいる場所はいつも帰宅する時に通る交差点の前で、居眠り運転しているトラックが青信号なのに止まる様子も無くすごいスピードで走って交差点を歩いている子どもにダイレクトアタックしようとしているので助けるか助けないかで葛藤している。助けると恐らく僕が死に、助けなかったらあの子どもが死ぬ。
そしてその子どもは自分の身に迫るトラックに気づいていない
そんなことを考えている時にはもうすでに僕のやることが決まっていたかのように身体が動き出していた。
「危ない!」
「きゃっ!」
そして僕はその子どもの背中を押した。押したときには押した子どもがトラックに当たらないくらいの位置でこっちに接近してきていた。
もう終わりか〜。つまらない人生だったな〜。最期になにかインターネットでなんかやってみたりしたかったな〜。まあどうせうまくいかないと思うけど。あ、もうトラックにぶつk
バン!
身体が痛い、身体中にトラックに当たった振動が来て痛い、のになんで心の中ではこんなに冷静なんだろ?本当にやばい状況では逆にこうなるのかな。あー少しづつ意識なくなっていく感じがするー。意識なくなっていく感じってどういうことだろう?自分でもわからなくなってきた。あ、あの子どもが周りの人に助けを求めてる
「だ、誰か!た、助けてく⋯さい!」
「ん?どう⋯た。てっお⋯!あ⋯こで女?がト⋯ックに⋯かれたぞ!」
段々と聞こえづらくなってきたな〜。というか僕男なんだけどな〜。あれ?何だ…か眠…くなってき⋯
◆◇◆◇
「うーん、あれ?知らない天井…ではないね。」
ここは多分病院だね。というかなんか僕の声高くなってない?ていうか僕生きてるんだ
「目覚めましたか」
あ、お医者さんだ
「あの子どもは無事だったんですか?」
「はい、無事でしたよ。トラックの運転手は今頃警察にいて、あの事故に関しては恐らく運転手の方の過失になるかと」
「良かった〜」
僕は安堵する
「ところであなたの身体について話さなければいけないことがあるんですが、落ち着いて聞いてください」
「は、はい」
やっぱり僕の声高くなってない?まるで幼女みたいな感じの声だけど。まあ取り敢えず話を聞こう
「あなたはまず居眠り運転のトラックに轢かれました」
「は、はい」
「そしてあなたは怪我のせいで今にも亡くなりそうでした」
「まあ、あの勢いだとそうなりますよね」
「そうですね。ですがあなたは奇跡的にTS病にかかっていたんです」
「TS病って何ですか?」
「TS病は簡単に言えば性転換する病気ですね、そしてその病気は不治の病であって。さらにTS病は現代科学でもどうなっているのかわからない病でして!」
「あ、あのー先生?」
「すみません、少し取り乱していました、そのTS病は身体をいちから構成し直す病なんです。その影響であなたは助かりました」
「てことは僕ってそのTS病にかかったおかげで助かったけど逆にその病のせいで女になったってことですか?」
「はい、そうです。そしてこれが今のあなたの姿です」
お医者さんがそう言って鏡を渡してきてそれで僕の姿を見てみるとそこには
腰まで伸びた白髪に蒼眼、あとは少しだけ膨らんでいる胸、顔は可愛い感じ、最後に背丈は…うん…
「え、本当にこれが僕なんですか?」
「はい、本当にそれがあなたの姿ですね。あ、あとあなたのお姉さんが見舞いに来てくれるらしいですよ」
お姉ちゃんここから結構離れた場所に住んでいるのに来てくれるんだ
ガラガラガラガラ
「碧くん!怪我したって聞いたけどだいじょ…!誰?」
「僕だよ僕、水無月碧」
「いや!そんなわけない!そこの医者さん!碧くんはどこですか!」
「この人です」
「え?本当に?」
「はい」
「本当に君が碧くんなの?」
「さっきそう言ったじゃん」
「お姉さん、少し弟さんのことで話があります」
「え?あ、はい」
「実は、あなたの弟さんはTS病という病気にかかって一命を取り留めましたが。そのTS病のせいで女性になったということなんです」
「そうなんですか!?ってことは女の子になった碧くんにあんなことしたりこんなことも。うへへ」
「ひぇ…」
なんだろう、今背中がゾワッてなったんだけど
「TS病にかかってしまったならまず市役所で性別変更の手続きが必要になります。書類にサインしてくれましたらこちらでやることも出来ますが、どうでしょうか?」
「じゃあ後でサインしときます」
「わかりました。それで退院の日程になるんですが、TS病のおかげで退院は早めに出来ると思います、少しの間様子を見て、異常がなかったらすぐに退院ができると思います。退院の日程はこれでよろしいでしょうか?」
「大丈夫です」
「では私はここでお暇させてもらいます」
「ありがとうございました」
「それで碧くん。今日から夏休みなんだよね?」
「うん、そうだけど」
「それだと今は大丈夫だけど、夏休みが終わったら学校どうするの?」
「そうだね〜、行きたいとは思ってるけど、状況が状況だからね〜。どうしよう」
「先生に相談しとこうか?」
「じゃあそうしてくれる?」
「オッケー、じゃあそうしとくね」
「ありがとうね、手伝ってくれて」
「そりゃ可愛い可愛い弟くん…いや、今は妹ちゃん?のためならなんだってするよ!」
「うん、抱きついてきていなかったら普通に感謝できていたかも。というかいつの間に抱きついていたの?」
「ふっ、お医者さんがいなくなってすぐに決まってるだろマイシスター」
「あ、うん」
「そういえばTS病で姿と一緒に声も結構変わったよね!碧ちゃん可愛いからうちの事務所に入ってほしいな〜」
「事務所ってどういうこと?」
「あれ?言ってなかったっけ?私ねドリーミーライブっていうvtuber事務所に入っているんだー!」
「ドリーミーライブって最近できたvtuber事務所の中でも人気なあの!?」
「そうだよ!私はそこの1期生の波化猫まおっていう名前だよ!」
「Vの中身はできれば知りたくなかったな〜」
「まあ、それに関してはごめんね。で!それでうちの事務所に入らない?今丁度2期生を募集してるよ!だから入ろう!碧ちゃんなら合格間違いなしだよ!」
「ちょっと検討に検討を重ねて検討を加速させておくね」
「つまり、こんど決めるってこと?」
「うん、流石に今すぐは決められないかな〜」
「だよねー、だけど書類選考の期限が明日の朝までだし。やっときなよ〜」
「わ、わかったよ」
「じゃあ公式のSNSに募集するためのサイトのURLがあるから。そこからやっておいてね〜。私はそろそろ仕事しないといけないから名残惜しいけど私は帰るね、バイバイ」
「じゃあねーバイバーイ」
扉を開けてお姉ちゃんが帰る
「まあどうせ受かるわけないし、ちゃんとお姉ちゃんにわかったって言っちゃったし。応募しなかったら後でなんか言われるかもだし一応応募しておこー」
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心の優しい誰かが☆つけてくれないかなー
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