【僕の同期Mがヤバいって話し】通帳がマイナスになった件

東雲レイ

第2話

3月。

またSNSで彼女を作ったMは、さらに調子に乗っていた。


もともとMは、元気で人懐っこくて、周りからの信頼も厚いタイプ。

でも最近は、上の空で、指示されたことだけ淡々とこなすような感じ。

返事だけして、目が合わない。

……正直、ちょっと怖い。


そんなある日、Mが

「最近よく出るんだよね〜。蕁麻疹」って

腕を見せてきた。


心の中で、うわ…と思ったが


「いや、それ、薬飲んだ方がいいんじゃない?」

と言うと


Mは「まーねー。」とだけ言った。


…なんて言えば良かったんだ。


変なのは、それだけじゃない。

「通帳がマイナス続きなんだよ」と言い出したのもこの頃。


え?

Mって正社員で、それなりに給料もらってるはずじゃ……?

いくら使ったらマイナスになるんだよ……

と恐る恐る聞いてみたけど、はっきりとは答えない。


残業もしてるのに「申請は出さない」って言うから理由を聞いたら

Mは「いや、この会社そういうの厳しいじゃん?だからサビ残だよ、サビ残!」


いやいや、僕は普通に残業申請出してるけど……?

残業申請出せば、通帳のマイナスもマシになるんじゃないの……?


と思ったけど、言うと機嫌を損ねそうだったから

「ふーん」って言っておいた。


4月。

奥さんにまたバレた。


そりゃそうだよな。

わかりやすいもん。

挙動も、スマホの扱いも、全部。


で、そこからさらに金遣いが荒くなる。


「お金ない〜」と言いながら

コンビニで一番高いコーヒーを買ってたり

お菓子を山ほどデスクに置いてたり

会社の飲み会には絶対参加したり。


……その金、どこから出てるんだよ。


5月。

ついにMはバイトを始めた。

休日にレストランで働いてるらしい。


「チーフがめっちゃイケメンでさ〜!」

と、めちゃくちゃ嬉しそうに語ってくる。


いや、だから……

残業申請出せば、バイトしないで良くない???


呆れて何も言えない。


そんなMと、流れで休日に神社へ行くことになった。

おみくじを引いたら、僕は小吉。Mは中吉。


「いい結果は、そうそう出ないよな」なんて言いながらおみくじを開いたMの目が止まる。


「思わぬ災いが降りかかるとき、人は浮かれる」


いや……

お前、それドンピシャじゃん…


通帳マイナス、蕁麻疹、奥さんに彼女バレて、バイト先でイケメンチーフに浮かれてる……


まさに災いが降りかかり、浮かれる。

おみくじすげぇ……。


数日後、久しぶりに2歳下の妹と電話をした。

妹とMは、面識があるから話を聞いてもらっていた。


そしたら妹が、落ち着いたトーンで

「Mさんが何でそんな行動してるか知ってるよ」

って…


ドキッとした。

妹が、落ち着いたトーンで話し始める時は

怖い話をするからだ。


「なんで?」と聞くと、妹は静かに言った。


「たぶん、Mさんね。貧乏神と疫病神と……女性の生霊ついてるよ。」


……は?


┈┈┈┈┈┈


‎ ‎𐰷 僕の同期Mがヤバいって話し③に続きます。

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