第3話 鏡
『あたし、ウサギのキク!本当だよ?』
身体をペタペタ触っている。さっきのがまだ信じられない。何かおかしいと思っていたけど、どうしてこんなことになっているの?わたしの耳はどこに、そんなことよりふみちゃんはどこ?
そろそろ自分で顔ぐらい洗いなさいとママさんに言われて、洗面台に行ってみてビックリ。ふみちゃんがいた。思わず声を上げたけど、あたしのじゃなかった。聞き覚えのあるふみちゃんの声。頭に手をやってみても、自慢の長い耳はない…ぶつかった時にあたしの頭が変になっただけと思っていたけど、そうじゃないのかもしれない。もし、あたしがふみちゃんになったんだったら、ウサギのわたしは?
「キクちゃん?あれからずっと眠ったままなのよ。心配よね〜」
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