トマトジュースだと思っただけなのに❗
@032526
第1話始まりの終わり
外も暗く月明かりが旅人にとって唯一の頼りになるであろう真夜中。
ある豪邸では、物々しい雰囲気がある広間の中央に集中していた。
そんな中伝令係の者が、とある内容を口にした。
「……以上の事がわかりました。」
内容は、芳しくなくさらに空気が重くなるなかある一人の青年が静かな口調で話しだした。
「そうか……仕方ない。あいつは、もう我々に必要な人物でないと思うが。…兄様はどうお考えでしょうか?」
薄暗い大広間の窓から月明かりが、入り部屋の中を明るい光が包む。
兄様と呼ばれたその者は赤子に話すかのような優しい口調で、部屋の中にいる同族達に話しかけた。
「そうだね。もう僕の弟は、一人しかいないと、そう思っている。だから、消えてもらおう。」
優しいが残酷な言葉がその口から零れる。
それに続くように青年とよく似た年長の男性と女性が同調する言葉を言う。
「私もバジレウスの意見に賛成だ。あの者を消すことに反対しない。」
「私もです。もうあの者は、我が一族に要りません。我が子でもありません。」
「あぁ、そうだな。あれは唯の裏切り者だ。」
恨みの籠ったその言葉に嘘偽りはなく、その言葉の重さに大広間全体の空気が薄くなり息がしずらくなったり、冷や汗が止まらなくなったりする者が急上昇した。
そんな中でも、兄様と呼ばれたバジレウスはそんな空気をものともせず軽い口調で言いはなった。
「……了承も出たみたいだし、皆であのバカを消す計画を立てようか。…ついでに、家畜たちの今後のあり方もね。」
その言葉を聞いた広間の者達は、一斉に拍手した。
その瞬間重い空気が、拡散し喜びが生まれ歓喜が響く。
「やっと邪魔者を消せる!」
そう口々に言い合う。
そんな、異様な歓喜の渦の中に一人だけ、似つかわしくない思いを心に抱いている者がいる。
その者は視線を宙に泳がせると、どこか遠くを見るような仕草を一瞬しますが直ぐに皆と同じ用に笑いさもこの決定を喜んでいるかの用に装いました。
例え本心は違うとしても、其を誰にも気づかれないように。しなければいけないからです。
もし、この本心が、知られたならば次は、自身の番だと分かっていたからです。
罪悪感に目を背け今を生きる事をこの者は選択したのでした。
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