第6話 カメは散歩が好き?

 昔はよく母がカメキチを連れて散歩に連れていったという話を以前に少しだけした。実は今年あたり、カメキチが弱ってきたこともあって、夏に適当な所で有給取って、僕と母とカメキチで散歩に行こうかなという考えがあったのだ。まさか今年、こんなにも早く亡くなるとは想定していなかったので、その計画は結局かなわなかった


 という訳で、じゃあ行けるうちに行っとこうと思い立ち、つい先日。僕と母、そして健在なカメ2匹と公園に散歩に行ったのだ。時間にして30分もない程度の短時間の滞在だが。片方のカメは1回だけ、もしくは数える程度しか散歩に出たことがないし、もう片方のカメは初めての散歩だ


 最初は一瞬周りの様子を静かにうかがっていたが、やがて浅い草の中を歩き回り始めた。道路や茂みに入りそうな場合は危険なのでカメ達を移動させるが、それ以外は基本的に見守る程度だ。ただしカラスなどの天敵もいるので目は離さず


 しばらくすると、小学生の女の子が母親と一緒に来た

 女の子「カメの散歩だ!」

 母「触っても良いよ」

 女の子「まだ大きくなるの?」

 母「んー、20年以上飼ってるから…」

 女の子「わお!私より先輩だ!」


 また少しすると、散歩中の犬が来た。犬は興味津々でカメ達を確認しようとしていたが、飼い主が引き留めていた。別に攻撃的な犬じゃなければこちらはかまわないけどなぁ


 そんなこんなでカメ達はしばらく、その辺を歩き回ったり、生えている草や木を確認したり、ちょっとだけ土を掘ったりしていた


 いったん母と別れ、僕が2匹のカメを連れ帰った。水槽に入れると「もっと散歩したかったのに!」とばかりに、口をパクパク、脚をバタバタさせてしばらく暴れていた。そんなに楽しかったのか


 昔、母がカメキチと散歩に行っていた時も、その公園含め何か所かに行っていたらしいのだが。ほぼ毎回、見知らぬ誰かや、散歩で見知った誰かに声をかけられていたらしい。カメの散歩なんて珍しさの極みだからね。それに、カメキチ含めうちのカメ達はおとなしいし


 犬と散歩してる人はたいてい、飼い主より犬の方が先にカメキチに気付くらしい。やはり匂いだろうか


 子供は結構カメに触りたがるし、基本的に自由に触らせていたようだ。中には自分もカメを飼っているという子もいたようだが、自分のカメは噛みつこうとするし触らせてくれないので、カメキチに触れて喜んでいたようだ


 カメキチ用にと勝手にため池というかプール的なものが作られていたこともあったようだ。カメキチはそんなに泳ぎが上手くなかったし、うちの母も泳げないので、そんなにデカいプールは必要ないのだが。いやそもそもプール的なもの勝手に作るのはよくない、というのはそう。しかし、カメキチはそれだけ愛されているカメだったし、きっと出会った人の心に今もまだ生きているのだろう

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ふてぶてしく生きたカメ Sケープ @scape359

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