100個の死体の話
雨宮 治
第1話 1個目
ある日タクシーの運転手の仕事をしていた
谷野淳介と名乗る男の話。
その日は酷く晴れた夏の昼、
タクシーの中は冷房で冷えていた
外で自転車や徒歩で移動している人々は
汗ばんでいる人や息がきれている人
半袖を捲ってもっと短くしながら歩いている人も
その中でタクシーを使う人は多い
今日は海水日和で海の近くを通ると
よく停められることがある、
次止まる所も海の近くだ、
きっとまた海か海から帰る人だろう
「すみません」
Tシャツを着た男性が乗り込んだ
その人は他の人よりも汗をかいていなく
少し涼しげに見えた
「何処まで行きますか?」
「珊瑚海金病院まで」
その病院は海の近くにあり
その病院の近くにある海には
水に揺れ金にも見える珊瑚があるらしい
「わかりました」
此処から病院までは一本道だ
そこまで行く時人は一人も通っていなかった
そろそろ病院が見える所まで行っているはず
それなのに一行に病院は現れない
そういえばあの病院って無くなったんじゃないか
その思考が過ぎる時に
車は、私の視界がグワンと廻った
その時見えたミラーには
後ろの男性は見えなかった
そのまま海に転落する車の中でもがくが
水と車重さには抗えずそのまま沈んでいく
車と一緒に遺体となる私はなんとも呆気なく
私は死体となった。
 ̄長崎県 ̄奄美群島 ̄珊瑚海金病院 ̄
 ̄谷野淳介 ̄タクシー ̄河上和紀(霊) ̄
以上
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