未来へと向かう一人ひとりの姿がまぶしい、心を打つ青春グラフィティー。

『君の隣で、私も揺れている』は、中学生の少女・奈々美を中心に、複数の視点で紡がれる、揺れ動く感情のリアルがぎゅっと詰まった青春群像劇。

さりげない優しさにドキッとしたり、誰かの一言で胸がじんと熱くなったり。初夏から卒業までを駆け抜けるなかで、登場人物たちの本気が次々とぶつかり合い、読むほどに感情が揺さぶられます。

特に印象的なのは、先生の存在。大人として、教師として、寄り添い支える松永先生の言葉は、誰よりもまっすぐで温かくて──読み終わったあともずっと余韻が残ります。

恋が始まる瞬間を、ここまで丁寧に、まっすぐに描いた作品に出会えたことに感謝したくなる、誰かを想う気持ちを、もう一度思い出させてくれる、そんな物語です。