パチンコ店に入り浸る、一人の男の記録。
親から金を駆り、「親ローンは無利息で返済期限なし」と脛をかじりまくる男。そして「パチンコで大量に稼げるはず」という見込みを持ち、じゃぶじゃぶとその金を失って行く。
パチンコには必勝法があるという説もあったり、じっくり様子を見ていれば「出る台」がわかるという説もあったり。そんな風説によってどんどん深みにはまっていく人間たちもいる。
そんな彼のダメっぷりが活写され、彼がこのままどうなってしまうのかと読者は興味を惹かれることになります。
パチンコ中毒の彼。そんな彼が立ち直るには、一体どんな「薬」が必要なのか。
実際にパチンコの類はアニメとかゲームとコラボしたものもあるから、ハマり始めたら本当に夢中になっちゃう魅力もあるのだろうな、という感じもあります。
経済学的に言う「サンクコスト」、および「コンコルドの誤謬」とでもいうような心理現象でもいいし、負けを取り戻そうと必死になるあまりに都合のいい情報しか見えない「確証バイアス」なんて言葉も使えそう。
人間の心の厄介さを象徴したような「パチンコ」というもの(ソシャゲにも通ずるものはありますが)、その沼に浸かった男の姿、是非ともご覧ください。
滅茶苦茶……
たぶん滅茶苦茶
主人公の戦略はもはや風前の灯火……
崩れかけた吊り橋だ……!
走破は難しい……!
見えている……!
辿り着く前の……崩落……!
悲劇は……!
それでも進むしかないんだろう……!
そこに橋……希望がある限り……!
まさに狂気の沙汰……しかし……わかる……!
そりゃあ、やめられないよな……失ってしまったんだから……!
全財産を……!
仮にやめて……賢明に今やめたとしても……
その後主人公にどんな人生が待ってるっていうんだ……
働いて……得るのは小銭……わずかな給与……!
そして惨めな暮らし……
勝つしかねえ……!
なるほど……そりゃそうだ……!
勝つしかないんだっ……!
走破しろ……!
走破して成し遂げろっ……!
オレたちの悲願……祈願……宿願の……再生をっ……!