Page.2 「アキレア、出発、そして暴走。」

父に言われた通り、ウーヌス王国の国境軍の一つである西方警備隊という場所に配属されることになった。

今日は、出発式が行われる。王都中心の広場に集められた。


「次!西方警備隊!マーク・タイカ!」

「はい!この国の平和のため戦ってまいります!」

「がんばってください。期待しております!」


あの時にリンゴを渡せなかった王女が俺にアキレアの花を渡してきた。


「次!西方警備隊・・・。」


その出発式が終わってすぐに西方警備隊はウーヌス王国王都西門に集合していた。


「お前さん、マーク・タイカとか言ったか?」

「はい!よろしくお願いします。」

「その様子だとここに配属された意味わかってないな?」

「え?どういう意味ですか?」


「西方警備隊配属者はここの馬車に乗れ。」

『はい!』

「また、馬車の中では私語厳禁である!また、名乗る必要はない!なぜなら、戦場ではいつ命を落とすかわからない。」

『はい!』

「名を知るということは命を知るということ。知った時点で知人になり情が湧く。情が湧くと相手へのすきが生まれる。警備隊として生きることを第一に考えよ!」

『はい!』


その後、まったく話さずに西方警備隊の本拠地に向かった。

半日馬車でゆられながら俺たちは西方警備隊本拠地の一つであるチゲルウィーテに到着した。俺を含む3人は先に降ろされた。


「3名は先に西方警備隊拠点に向かえ!服に着替えておけ!」

『はい!』


「はぁ、やっと解放されたか・・・。まったくあんな態度はねえよな。」

「まったくだぜ。軍人だからって偉いのか?」

「そう思うだろ?お前さんも・・・。」

「うん?あぁ。まぁさっき言われてたことも一理あるかなってのはあったかも思いました。」

「はぁ?お前ここに配属されるってどういうことか知らないのか?」

「知るわけねえよ。どうせ、こいつは生贄みたいなもんだろ?」

「それってどういう?」


「お前たち!ここは戦場だぞ。私語は厳禁である!」

『はい!申し訳ございません!』

「服に着替え次第さっさと拠点へ集合せよ!」

『はい!』


それから毎日地獄のような訓練という名の実地戦闘が行われた。

逃げ出すものや谷底に落ちて死んだ者もいた。


1か月後・・・。


「西方警備隊全隊に次ぐ、本日1200に先日戦闘が行われたスベルチゲル山へ進軍する!きちんと準備をし南麓に集まるように!」

『はい!』


俺たちはスベルチゲル山南麓で集合して戦闘準備をしていた。

すると・・・。


「もういやだ!こんなところで死にたくない!」

「おい!そこ!うるさいぞ!」

「うるさい!【大延焼】!!」


暴走した兵が軍人であるハザス大佐に向けて攻撃をした。

俺は体が勝手に動いていた。


「【武離音越(ぶりおこし)】!!」

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TRAVELER'Z NOTE PREQUEL P.o Mark Taica 白木飛鳥 @Shiraki_aSuka

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