お前は生け贄だと追放された醜女の姫、どうせ死ぬし~と好きなことをやっていたら愛され人生がスタートしました
ちくわ天。
前編
第一話 生け贄で追放……
「今年の生け
涙ながらに訴える父の
私の住む
「
「正に武士の
違うんです。この生け
分かっている人は、含み笑いをしていらっしゃるじゃありませんか。私の着物は所々に
私の父は
顔を
はい……誰も名乗り出る者がおりませんね。生け
「今年の生け
それに顔だけでなく、全身が赤い
「はっ。確かに今年は我が領地から生け
と答えたまま、難しい顔で腕を組んだままでした。その後ろに、ひときわ大きな体つきの
父よりも背が高く、背をのばして堂々と胸を張っておられます。顔中が
「
それを聞いた我が父は、
「さすがは武勇の
そう話すと、すっくと立ち上がり、そそくさと大広間から出ていかれました。一度も、私の方に視線を向けることはありませんでした。こんな、ガリガリに
すると、父の隣に座っていた少女が立ち上がり、私の前に歩いてくるではありませんか。その姿を周囲の
歳は四つ違いの十四才でございます。赤や黄色の花柄が綺麗な
私を見下ろすような視線と
「姉上。
自ら生け
ニヤリと笑った顔を
私はこの子に
「引き取っていくのが貧乏
しかも、あんたを連れて行くって言ったのがあの熊でしょ! 姉上、かわいそう。
それにしても、その
そう言うと、さらに小さな声で、
「せいぜい、死んで役目を果たしてね。この裏切り者の一族が!」
と話すと、私に背をむけて離れていきました。
もうすぐ
「姉上、
と涙を拭いながら、きびすを返して大広間から去って行くのでした。
それに続くように、上段の間に
誰も私に声をかけることはなく、むしろ、少し距離を取って歩いて行かれるのです。私の顔を見て、
小さな声で「本当に気味が悪い」「ガリガリで女には見えんな」など、話されるのが耳に入ります。それに「この裏切り者が!」と吐き捨てるように話される方もいらっしゃいました。でも母も私も、裏切ってなどおりませぬ!
ぴしゃりと
「どうぞ、よろしくお願いいたします」
と、床に手をついてお礼を述べます。もし、誰も預からないと言われていたら、私はどうなっていたことでしょう。
けれども、三人の方々は何も言わずに大広間を出て行かれたのです。一人残ったのはあの熊男の
「では、
と、短く話すだけで出て行こうとします。慌てて私は立ち上がり、
だって、母様が殺されてから、私が誰かに愛された事なんて一度もなかったのですもの。
―――――
女の子が主人公の物語に挑戦しています。
主人公の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます