第7話 コウガinスカイズタワーのシカク◻︎
この作品はフィクションです
現実に存在する国家、地名、組織、人物等には何の関係もありません
一部シーンには現実味を出すためにAi等の力を借りています
それを御留意いただいた上で拝読して下さい
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202E年L月5日 19時10分 T県
東京スカイズタワーの最上階に緑色のコートを着て太った坊主頭の男が椅子に座っている
青年は顔の整い方や表情は普通だった、しかし何処か不気味なモノを感じる
店員は怯えながらも男の身体を隅々まで観察していた
男の後ろから柄の悪そうな
もう1人の男が着いてくる、
ワックスで髪を逆立てていた男は口を開く
「ふぉぉぉぉぉっ!!テロかな?エロかな?この状況はァーッ!!」
男はハンディカメラで怯える観光客を撮影している
「キミ...ブクロで俺に拾われて良かったね?
...人を生かすのにストーリーは要らないからねぇ」
ワックスの男は横で笑いかけている
「乙だねぇ...蝗牙さぁん...巨大な塔にて!敵を待ち構える!」
金髪の女、ユキは男に叫ぶ
「なんで此処に私を連れてきたの...何で?」
コートの男はユキの顔にビンタを繰り出す
「殺したくないからでしょうがァ!!!可愛い女の悪い
蝗牙は窓の外を見ながら考えている...
いつから...俺ってこうなったんだっけ?
小学校から皆んなに追いつけなくて...中学校では朝起きれなくて不登校に...
高校では...何にもノれなかったから...周りの人間を遠くから観察してた...
楽しそうだなぁ〜って
毎日が怠惰と絶望に満ちていた...観察は続く...
今日からは狂気に染め上げられた世界を...
「...本当にシカク持ってて良かったなぁ」
厚い窓ガラスが破られ傷だらけのバッタ人間が女を抱えて飛び込んで来た
「こんにちは...可愛い娘ちゃぁぁぁんっ!!」
蝗牙はスキップしながらピンク色のパーカーを着た女の頬を掴んだ
黒のサラサラとしたオカッパヘアーの短髪が揺れる
女の格好はイマドキの若者という印象が持てる
「オンナの
小悪音御(こあく ねこ)は
「アンタは...私をこんな目に合わせて...運営が黙ってると思ってるの?」
蝗牙は周りのバッタ男に女を羽交い締めにさせる
「キミはスタッフの1人でしか無いでしょ?俺だって運営には感謝してますよ...
というか...NO Calling作ったのってキミ?上手く働いてくれたよねェ〜!!」
バッタ男は音御の上着を引き裂いて下着を露出させる
蝗牙は無表情で音御の方をジッと見つめている
「Bかな?それとも...C?オッパイは」
蝗牙は音御のブラジャーに手を突っ込んで乳を揉みしだいている
「これはぁ〜?もおぉっとデカイのかなぁ...多幸感ってヤツ?」
ユキは蝗牙の足を後ろから蹴り上げて転ばせ叫んだ
「アンタみたいなクズが触ってんじゃねーーよっ!!」
倒れた
周りを徘徊していたバッタ人間が観光客を次々と引き裂いて喰い始めた
血飛沫と肉が辺り一面に散らばる
逃げ出す子供をバッタ人間は容赦なく踏み潰し死体の足の骨なんかに吸い付いている
彼は笑みを浮かべてユキに手を差し出している
「大丈夫だよ...キミには生きるシカクがあるから
殺さないよ」
スカイズタワーの周囲には羽音が鳴り響いている
おぞましい数のバッタ人間が飛び回っている
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202E年L月5日 19時20分 T県
わんさか広場
四ツ谷 燐(よつや りん)
職業:フリーター
ヨツヤの目の前には緑色のジャージを着た頭の無い
黒いスーツを着て赤いメガネをかけたセンター分けの1人の色男がバッタ人間と戦っていた
「
ヨツヤが銃を構えるとバッタ人間が首を回して飛びかかってきた
ヨツヤはブッシュっと銃から音を鳴らすとバッタ人間の眉間を撃ち抜いた
バッタ人間は頭から黒い液体を吹き出して倒れた
メガネの男は俊敏な動きをしたかと思うと右手の針のような武器でバッタ人間を貫いて殺した
(ハチかな...近距離の攻撃しかできないっぽいし...早めに殺しておこうかなぁ...)
メガネの男はヨツヤの方に顔を向けると喋りかける
「撃てるタマじゃないだろ...安心しろ」
メガネの男、
(うわ...警察かよ...弱ったな...銃を向けちゃったよ...)
律島は話を続ける
「お前がヨツヤ リンだろ...その骨みたいな銃で分かったよ...ニンゲンの力って言ったら銃だもんな
殺されたくなきゃ...シカクを渡せ...」
(なんだよこのメガネは...渡しても殺すだろコイツ...)
すると周りをバッタ人間達が取り囲んできた黒い複眼からは命が感じられない
「くそっ...こんな所でゲームオーバーかよ...」
バッタ人間達が2人に話しかける
「ふ...2人とも楽園に案内しますよ...そこで決着を...ツケマショ...」
バッタ人間達は2人を抱えて宙を舞い飛んでいく
ヨツヤは震えが止まらなかった、
ヨツヤは自分の力を過信し、前に飛び出しすぎた
安全は失われ、酷い匂いを放ったバッタ人間達に捕まっている
気を失いそうな状況で右手に持った銃だけが四ツ谷の心を繋ぎ止めていた
「待ってくれよ...こんなのって無いだろ...世界が終わる前に...俺が死ぬのか?」
メガネの男は冷静に答える
「安心しろ、このバッタ男達は簡単な動きしかできないみたいだ...
急に俺達を落とすなら僕がアンタを捕まえて飛んでやるよ...」
(ハチ野郎は...俺の能力がレアだからバッタに取られたくないだけだな...
あの目だよ...悪びれも無く用が済んだら俺も殺す目をしてる...)
普段は目にしていない足元に反り立つビルやアリほどのサイズに見える車が見える
俺達は誰よりも高い視点で
444メートルの巨大な
窓から四ツ谷と律島はスカイズタワーの最上階に入った
しばらく離れていた地上に四ツ谷は怯えながらも床を手で撫でた
中には大量の血痕と血肉を浴びて怯えている女達が居た
目を移すと見覚えのある金髪の女子高生が居たので話しかけた
「ユキ...ちゃん?」
ユキは虚ろな表情で呟く
「くそきもい...オトコって...汚くて...本当に...ロクなのが居ない」
四ツ谷は横からワックスで髪を逆立てた男に組み伏せられた
男は調子のいい声で話す
「動くなっスよぉ...俺達ァ...意味の無い殺しをしないんだわ」
緑色のコートを着た男、
男はポケットに指していたエナジードリンクを勢いよく飲むと話しかけてきた
「ヨツヤ リンだよね...やっと見つけたよ...ブクロには居なかったね?」
四ツ谷はコートの男の目を覗き込んだ
驚くほど黒く澱んでいて邪悪な目をしていた
一見するだけでコイツは敵だと確信した
蝗牙は横でバッタ人間に押さえつけられているメガネの男に近づいた
「なんかキミぃ...イケメンだけど変だよねぇ?髪型とかぁ...顔とかァ...少しズレてる?」
蝗牙は律島の顔を掴むと激しく揺さぶって皮のようなものを剥ぎ取った
律島の顔は先程までより幾分か幼くなっており女に見えるほどの端正な顔立ちとなった
コートの男は剥ぎ取った変装のためのメイクを窓の外へと放り投げて喋る
「可愛い顔してるね...なんだか...殺すのが惜しいなぁ」
素顔を晒した律島は言い放つ
「問題ないよ...顔はガキ臭くても中身は大人だから...死ぬ覚悟も殺す覚悟もして来てる」
律島は左手の赤色の光沢を放つ虫が描かれたシカクを握りしめて地面に叩きつける
叩きつけた瞬間に周囲のバッタ人間の腕から炎が上がり燃え広がっていく
律島の右手に骨のような鎧が身に付けられ鋭い針が露出され
炎に苦しんでいるバッタ人間の集団に飛びかかり次々と
ユキは
ユキの周囲に紫色の煙が立ち上り蝗牙をも包んでいく
ユキは涙を浮かべながら蝗牙に言い放つ
「死ねよ...変態野郎...私はもう...家に帰りたいだけなんだよ...」
蝗牙はユキの手を掴み返すと顔を歪め邪悪な笑いを浮かべていた
ユキは怯えながら呟く
「なんで...毒が効いてないの...?」
ヨツヤを取り押さえている男、
自由になった四ツ谷は考える
(何がなんだか分からないけど...ユキちゃんを救わないと...ユキちゃんの母親のミフユさんに俺が嫌われる...
そうなると...俺達の男女の関係が終わる!それはマズイ!)
四ツ谷は銃を構えて蝗牙に骨の弾丸を撃ち放った
蝗牙の肩に銃弾が貫通し周囲の肉が
202E年L月5日 20時12分 T県
蝗牙は首から大量の黒い血を撒き散らして倒れた
黒い血の池の中で蝗牙は驚愕の表情で手足をバタバタと動かしていた
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