第6話 りつしまin句仲乃のシカク◻︎
この作品はフィクションです
現実に存在する国家、地名、組織、人物等には何の関係もありません
一部シーンには現実味を出すためにAi等の力を借りています
それを御留意いただいた上で拝読して下さい
……………………………………………………………
黒いスーツを着て赤いメガネをかけたセンター分けの1人の色男が建物の中に入っていく
建物の内部は何者かによって荒らされた形跡があった食料品や血痕などが辺りに散らばっている
男は派手な赤いネクタイを両手で細かく直していた
202E年L月5日 18時25分 T県
律島三郎(りつしま さぶろう)
職業:警察庁 公安部
律島はスマホを取り出すとスレッドを開く
・【速報】ワイ氏、シカクを手に入れる
(このスレッドの情報を見たが...1人の女が
ゲームの運営についての情報を持っていると書いてあるが...
FAKEだな...他のSNSでも情報だのエロだの色々な理由で誘い出そうとする投稿が幾つか散見された...)
「女の狙いは...人を誘い込む事でのシカクの総取り...」
すると目の前に3人組の男が現れた
1人目の男は長身で目つきが悪くザンバラ髪
2人目の男は黒いタンクトップを着た色黒の男であり腕にはタトゥーが彫られていた
3人目の男は細身で眼鏡をかけ上下を緑色のジャージの服で固めていた
ザンバラ髪の男が話しかける
「お前も釣られたクチか?残念だったねェ...此処には女は居ねーみてぇだわ
そこら辺のバッタ人間に食い殺されたんだろ...」
律島が右手に力を込めると骨のような鎧が彼の右手を包み込み針のような武器を露出させた
ザンバラ髪の男が笑みを浮かべる
「おーっと...何もアンタと此処で
此処に来るまでに色んなガキだのオンナだのを
律島は胸から警察手帳を取り出して男達に突きつけた
「僕は
タトゥーの男が手を叩いて笑うと腕から鋭い鉤爪の様な武器が飛び出した
タトゥーの男は律島を小馬鹿にしたような喋り方をする
「シカク持ってる時点でさぁ?アンタも人を殺すことに抵抗なんて無いのは分かってんだぜ?
律島は冷酷な眼差しを浮かべると男達に針を向けて叫ぶ
「死ぬ前に聞いといてやろう...お前らの持ってるシカクは何だ?」
ザンバラ髪の男は右手を滑らせる手つきで何処からか発生した骨で作られたような
「答える意味なし、死ぬのはアンちゃんだぜぇ〜?」
ザンバラ髪の男は
律島は空中で身体を回転させて男の顔に蹴りを合わせた
男は首が有り得ない方向に折れ曲がると横のショーウィンドウに頭から突っ込み動かなくなった
律島の左手には青い光沢を放つトビウオの彫刻が描かれたシカクが付いていた
タトゥーの男は驚愕していると
緑色のジャージの男は右手から伸びている鎌を折りたたみ律島に茶色の光沢を放つアリクイの彫刻がされたシカクを投げた
ジャージの男、
「リツシマさぁん...コイツらが持ってるのはトビウオとアリクイのシカクですわ...」
律島は投げられたシカクを確認するとジャージの男に話を返す
「という事は...やはり前回のゲームとは配れるシカクが大きく違っているという事だな」
菅井はポケットから虹色のキャンディを取り出すと舐めだした
「リツシマさぁん...栄養は取っておいた方がイイですよ?能力が上手く使えなくなるから...キャンディ喰います?」
「誰がオマエみたいな大量殺人やらかした死刑囚の言うことを聞くんだよ...わざわざオマエを外に出してやった意味を考えろ...」
菅井はキャンディを歯で砕くと不愉快そうな表情をしていた
「リツシマさぁん...俺が人を殺したのはシカク者に選ばれるためですよ?アンタも同類じゃないですか?」
すると遠くで何かが倒れるような物音が鳴った
律島は菅井に指示を出すと駆け出す
「菅井、
律島と菅井は勢いよく駆け出していくと突如として近くの床が潰れるようにして割れた
砂埃によって透明な触手の様な物が蠢いている事が分かる
触手は廊下の奥の方へと帰っていき足音が聞こえ始めた
律島は小石を拾い上げると勢いよく廊下の奥へと投げ込み走り出した
石は空中で静止して粉々に砕け散った
律島と菅井は走り続け街の広場の様な場所に出ると振り返り
辺りには一般人の死体が幾つも転がっている
遠くではバッタ人間が死体を粉々に砕いて食い尽くしていた
「透明野郎は此処で僕が仕留める...」
幼い頃から恵まれた家庭に生まれ女とも見紛うような端正な顔立ちをしていた、人一倍に正義感が強く小学校から中学校まで彼は優秀な成績を残しながらも非行に走る生徒を注意し続けていた
彼は誰よりも正しく生きてきた、故に日陰を生きる悪のことを十分に理解していなかった
あえて問題児も入学する高校に進み、どうして人が自分の中の悪に準ずるのかを見極めようとしていた
律島はどうしようもない悪と出会った彼によって律島は際限なく自身の人生や尊厳までを1年という長い時間をかけて汚された
悪を正し何時も努力を惜しまず真っ直ぐに生きていたはずの律島を助ける者は居なかった
それどころか小馬鹿にされ石を投げられ慰み物にされる屈辱を味わった
そして1年が終わる頃に突如として悪は消え去った
律島は全ての悪を理解した
もう誰も彼を責めることはしなかったし干渉することも無かったので律島は再び真っ直ぐに学校行くようになった
彼は流れるように警視庁の公安部に入り込み重大な事件を解決、必要があれば隠蔽をしてきた
時々、彼が思い出すのは泣き叫んで許しを乞う
どうしようもない悪の姿だった彼の身体の一部を律島は今でも自宅に隠し持っている
悪を知ることで絶対的な正義を得た律島は正しい行動を取り始めた
そして彼は連続殺人犯レッドベイツとして不要な人間を拷問の末に殺し、それによって再びシカク者に選ばれる
彼は正しさ故に殺人をも
現在、目の前に伸びてきた透明な触手を彼は自身の針で
地面を踏みしめ砂埃を起こすと律島の少し上に透明で丸みを帯びたシルエットが浮かんだ
下に垂れ下がった触手は不気味に軌道を変えて律島へと伸びていく
軽やかなステップで触手を交わし針で突き刺すヒットアンドアウェイの戦法で律島は勝ち残ってきた
横に居た菅井は右手から
律島に襲いかかる透明を切り裂いた
絶叫が上がると透明な体が徐々に色を
女の服装はピンク色のパーカー、フードには猫耳の装飾が付いている
黒のサラサラとしたオカッパヘアーの短髪が揺れる
女の格好はイマドキの若者という印象が持てる
律島は反撃を警戒しながらも倒れた女に質問する
「運営の情報を持っているというのは本当か?」
女が憎しみの表情を向けると
律島は容赦なく足を右手の針で突き刺した
女は声にもならない苦悶を浮かべながら身を
律島は戦いで乱れた髪を手で直すと話し出す
「キミの声を聞かせてくれ...あのネコ女とは同一人物なのかを確認したい」
「同じ人だよ...だから殺さないで...殺さなくてもシカクを持っていれば世界は救えるでしょ?」
律島は目の前に転がっている、ちっぽけな悪を軽蔑し見下していた
律島は冷静に話す
「キミを...小悪音御(こあく ねこ)を生かすメリットは?何かあるかな?」
「私は...アンタの前に優勝して...世界を変えた女の子だよ...スタッフとして運営の手伝いをする権利を貰ったの...
(どうやら本人で間違いなさそうだな...時間的にもコイツに無駄に関わるメリットは無さそうだな)
律島は
律島が身を交わすと
バッタ人間は低く稚拙な声で話し始める
「ダダ...ダァメだよ...スタッフが肩入れなんてしちゃあ...そりゃ俺の能力は強いけどさァ...
も...もしかしてイケメンには甘い娘なのかな?」
気づくと風は
「お前が
「キ...キミも変えてあげても良いよ?素晴らしくあどけない天使の姿にね...」
律島と菅井の前に他の2人のバッタ人間が攻撃を仕掛けてきた
羽根を生やしたバッタ人間は
「塔に...集めなきゃ...オンナ?を...」
202E年L月5日 18時50分 T県
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