11
結局No.5で過ごすことで話はまとまった。
昼休みのチャイムが鳴り、
リナと松田と食堂へ向かった。
いつも通りの昼休み。
の、はずだった
「おーーーーい!!!」
はあ、とため息がでた。
前方には、もう何年も見続けてきた顔。
視界に入るだけで胸焼けがする。
「でた、蓮の片割れ。」
そう言うリナを、軽く睨む。
いつも通りのテンションで手を振ってくる
離れ損ねた幼なじみ、達也。
またの名を、笹井。
「笹井じゃん」
「よっ!松田、相変わらずでかいな。」
「うるせー」
リナと松田も、達也の図々しさにすっかり慣れ、会えば話す仲になっていた。
近づくと、私の顔は見向きもせず
当然のようにそのまま隣を歩き出す。
「お前らこれから飯?」
「おう、」
「じゃあおれも一緒に、」
「やだよ。」
「蓮、おまえ冷たくなったなあ〜!」
これも、いつも通り。
たまたま、偶然、どうせなら、ってノリで
なんとなく一緒にいる時間が
気づけば何年も続いていた。
幼稚園、小学校、中学校、そして今。
高校生になるまで、
つかず離れず、一緒に生きてきた。
特別大切にしているわけでも、
特別な感情があるわけでもない。
いてもいなくてもいい。
でもいないと、
それはそれで変な感じがする。
周りはいつも私たちの関係に名前をつけたがったけれど、いい迷惑だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます