第12話 ピカソ芸術のようなセンス

 ◇◇アクトク・リョウシュ視点◇◇


「今日から本格的な活動を始めるということですね」



 帰る途中、エイリが話しかけてきた。


 た、確かにぃ~。なんの予定もないってバレたら刺される可能性29%。



「ああ、そうだ。ちょうどしっぽが掴めたのでな」



 掴めてるわけ無くない?

 頭ひょっとして悪いの?



「私がこの10年間できる限りの調査をしても見つからなかったのに…流石です」



 存在しないからな?

 当たり前だよ?



「まぁな。街にぶらついてたのは民の為だけじゃないさ」



 主に俺の休憩のためだ。

 嘘は言ってない。



「部屋に帰ったら作戦会議でもしますか?」


「ああ」



 ど、どうしよう。

 作戦会議もクソもねぇだろう?

 何も知らないのに…

「ああ」なんて勢いで答えるんじゃなかった!


 何か考えろ。命のために。できるだけ長生きするために…!

 もう家に着いてしまった!くそう!



「あの…エアクも呼んでいいでしょうか。ああ見えてあの中では一番強く、頭もきれるのです」



 呼ぶな!呼ばなくていい!

 いやでもエアクが来るまでの間、思考時間がのびるな。

 よし呼んでいいぞ。



「いいよ」


「はい!ではすぐに呼びます!」


「お呼びでしょうかエイリ様」



 早!いや早すぎんだろ!

 一秒も経ってねぇぞ?クソが!

 ゴミが!お前ら嫌いだ!



「ではここからは私の部屋で話しましょう」



 そーいやエイリの部屋に入ったこと無かったな。

 !?もしやこれが女の子の部屋に入る最初で最後のチャンスでは!?

 これが、異世界!ありがとう!異世界!

 2週目にして俺は女の子の部屋に入ることに成功する!


 もう、悔いはないよ…


 小さくもないが大きくもない部屋につく。

 エイリがドアノブに手をかける。

 今から行くのは聖域。同士たちよ。俺はゆくぞ!


 おお!清潔感がある綺麗な部屋だが所々人形などもあって可愛い!

 ん?なんか本棚っぽいのがカーテンで隠されているがなんだろう?


 ちょっと見ようかな?



「ダメです!そこは!ダメです!」



 めっちゃでかい声出された。


 確かに誰だって隠したいものが1つや2つある。

 我慢…我慢…⁝( `ᾥ´ )⁝…



「そんなことより作戦会議しましょう!ほら!」



 彼女が椅子を指さす。

 しぶしぶ座る。

 エアクを椅子に座り、エイリも座った。



「では作戦会議を始めましょう」


「はい!」



 …そういやなんかの情報言わなきゃいけなかったんだ。

 なんにも考えてない。

 初めての部屋にテンションがそれどころじゃなかった…



「ではまずは現在確認できている情報を確認しましょう。我々『夜血の十字架ナイトクレッシェンド』の団員数は現在100人ほど」


「『夜血の十字架ナイトクレッシェンド』!?もしかして組織の名前か?」


「はい…もしかしてお気に召さ無かったでしょうか…」



 …なんてことだ。

 めっちゃセンスいいじゃん。すげぇわ。

 才能の原石だわ。

 てかあれ100人もいたんだ…



「いや、良いと思う。ところで誰が付けた?」


「良かったです…アク様が7年と65日前、組織に名前を付けるなら?と聞いたらとても可愛らし…ゲフンゲフン…『夜血の十字架ナイトクレッシェンド』と答えたので」



 咳が出てて心配だな。

 それにしてもやっぱりセンスがいいのは俺だったか。

 俺天才!(はよ厨二病直せ)



「…ではつづきをそして半数が自聖騎士ラウンライトに匹敵する実力を持っています」



 !?

 嘘だろ!強すぎだろ!

 凄スギィ!



「残りは自聖騎士ラウンライト2人分の実力はあるでしょう」



 は?

 エリートがラウンナイトレベルじゃなくて弱くともラウンナイトレベル!?

 ぶっ壊れだろ!

 どんな訓練受けたらそうなるんだよ!

 きっしょ!人じゃねぇ!



「勿論にゃあはラウンナイト10人は相手できるにゃ!」



 ピンクケモ耳が自慢げに言う。

 怖…怖すぎ…

 怒らせないようにしよう。そうしよう。

 俺なんて片手で捻り潰される。

 てか多分団員全員俺を片手でひねり潰せる。

 一人称にゃあは新しいな。



「貴方は発言しなくていいですぅ!」



 うん。そうだよ。

 君が発言したせいで僕はとても怖い想像をしてしまった。



「その中で情報収集はかなりしたはずなんですが一切しっぽが掴めませんでした。ですがさすがアク様!もう掴んでいたのですね!」


「ま、まぁな」



 やべぇ。ぽいこと言わなきゃ。

 ひねり潰される。



「あ、あれだ!お前ら、もしかして未だに常識に囚われてるんじゃないだろうな?勿論、それは王都の城に魔王がいるー!とかじゃなくてもっと身近に潜んでるんだよ」


「というと?」


「まずは自分で考えてみろ」



 よし。これで「俺が言ったんじゃなくてエイリが勝手に言っただけだし?勘違いだし?」って言えるぞ!

 全ての責任はお前に託した!エイリ!



「最近起こったことはなんだ?」


「最近この近くに聖教が巡回に来てた?…まさか!聖教…?」


「そ、そうだ」



 聖教なんて絶対悪くないでしょ!?

 頭悪い!

 聖教は自聖騎士ラウンライトを貸してくれるし、人類皆平等の信念を掲げている素晴らしい所だぞ!

 なにより聖女様が可愛い!

 聖女様は世界に数人しかいない聖属性の魔法が使える人だ。

 大抵の場合、聖属性はクソ強い。

 死人の蘇生からアンデットなら確定で浄化する。他にもA〇フィールド的なやつも出せる。

 神様に愛された属性なわけだ。

 俺と違ってな(激おこプンプン丸)!


 まぁ、そしてお決まりにとても可愛い。

 それを悪呼ばわりだと!そんなの許せない!



「た、確かにその可能性は考えてなかったにゃ…」



 頭に「もちろんにゃあはラウンナイト10人は相手できるにゃ!」という声がこだまする…

 …聖女様ごめんなさい。

 寿命伸ばしたいんで…



「少し探りを…」

にゃあが…にゃ」



 2人で喋り始めた。

 聖女様…

 俺は、罪深きものです…

 そっとエイリの部屋を出て自分の部屋に帰ると、俺は自作の聖女様フィギュア(大作だぞ?1年かけた)に祈りを捧げたのであった…


 神は全てを許してくれるよね…?





 ◇◇???視点◇◇


「お呼びでしょうか。我が聖女ファルス様」



 赤髪の男が見目麗しい金髪に青目の聖女へと膝まづきながら語りかける。



「貴方の聖女になった覚えなんてないわ。大体私は聖女なんかじゃ…!」


「いいえ、聖女ですよ」


「確かに、貴方には感謝してるわ。貴方のおかげで、私は生きてこられた…だけど!信者を騙すのは違うでしょう!なんで魔王なんかに手を貸したの!」



 赤髪の男はやれやれといった様子で立ち上がる。



「全ては貴方のためですよ。安心して、生きるためです」


「違う!私はそこまでして平穏を望んでいない!」


「私は望んでいるのです」



 男は力強く言った。



「何を犠牲にしてでも、必ず、必ず守り抜くと、そう誓ったのです」


「お兄様…」


「私の事をそう呼ばないでください。もう、その名前も、居場所も捨てました」



 男は後ろを向き、去っていく。



「今はただ、全ての不要物イレギュラーを切り捨てる、『血濡れの聖者デスターラウンズ』ですよ」



 コツコツと、足音だけがそこに響いた。









────────────────────


エアクの一人称(にゃあ)はもともと僕だったんですよ…

色々とミスって書きだめしてたぶん全部私になってたんですよね。

もう気分でこれに変えました。

修正本当に大変だった…

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