陰キャな俺が転生してもやっぱり陰キャだった件について〜転生したからってすぐ変われるわけねぇ!〜
かげろっち
第1話 陰キャ転生する!
※この話は仮置きバージョンです!
細かい調整は後からやる予定ですが、今の空気感は大体こんな感じです!
読んで頂けたらとっても嬉しいですし、感想いただけましたら……飛んで喜びます!笑
初心者ですが頑張ります!
本編1話(仮)
↓
俺は昔から社交的ではなかった。
ーーというか、人の顔を見るだけで震えるレベルだった。
人をみるだけで緊張して、汗がにじんだ。
自分でもなぜそうなっているのか分からなかったが、人前に出るとやけに汗が出て震えが止まらなかった。
膝が揺れ、汗は止まらず、まともに話ができなかった。
そんな俺は人と関わるのを頑張っていた!が、無理だった。
毎回俺は皆と遊ぶふりをして素通りし、いつもの校庭の隅に移動し、砂を真剣にいじる日々。
ダイヤモンドもあったし?(笑)楽しかったよ。うん、楽しかった……ことにしてただけだ。
ガラスの破片って分かってたけど、「俺だけが見つけたダイヤ」って思いたかったんだなって、今になって思った。
俺には友達がいなかった。いや、正確に言うと“授業中だけ話す人”とか、“席が近いから名前を知ってる人”はいた程度だった。
要はクラスの皆からすれば俺はクラスにいるだけの一人のクラスメートというわけだ。
そんな俺は当然のことながら、放課後に遊びに誘われたことは一度もなかった。
誰かの家に行ったこともなければ、来られたこともない。
俺がどれだけ近くにいても、俺は空気ように扱われていた。
唯一気を使ってくれるのは教員という、仕事上気を使ってくれる先生だけだった。
学校の中で特に嫌だったのが授業の中でのグループ作りだった。
周りがどんどんグループを作っていく中、俺だけが取り残されていく。
近くにいた人でさえ、俺を見向きもせず他のグループの方に集まっていった。
気づけば他のもう既に集まったグループの感覚はあまりないのに、俺の周りの半径5mほどの範囲だけ世界から切り取られたように俺を中心として誰もいないのだった。
俺はいっそのこと一人でやるので大丈夫です。なんていったこともあった。がそういうわけにもいかず、余り物でグループに入るか、先生が気を利かせて組み込んでくれる。そして授業を作業のようにこなした。
グループ作りなんて嫌いだった。こんな制度を作ったやつの顔を見てみたいと思ったことが何回あったか…。
そんな俺の最高な居場所はやはり図書館と木陰、そして人が集まらない暗い場所だった。
なぜかそこでなら落ち着けた。
自分を保てたのだ。
あのワイワイやってる陽キャどもはいない!アハハハ!と、人見知りで皆とは違って陰キャな俺は、周りから浮かずに自分の世界を楽しんでいた。
そんな感じで図書館に通い、陰に潜み、目立つことはせず休み時間は誰もいない図書館の隅で読書。
あるいは体育館や外に遊びに行く皆とは逆でずっと自分の席で読書をしていた。
ホームルームが終わった後もすぐに誰とも話さず、部活はおろか、何の役員もやらずただひたすら帰宅していた。
要は帰宅部というわけだ。そんな存在だった。
俺がそんないつもの日々の生活を繰り返していたある日の事だ。毎日学校が終わった後、お気に入りの人気が少ない通りを歩いていた時、突然俺は光に包まれたのだ。
ーーーーくっ、なんだ?飲み込まれる
まるで神隠しにあったように少年は消えた。
さっきまで真っ暗だった景色がすーーーと開けた。
すると俺は見知らぬ辺り一面が透き通っているような白い空間にいた。
向かいには何やらキラキラと光輝く少女が座っていた。
それと同時に俺はさっきまで感触がなかった手や足が動いているのを感じた。
目の前の彼女が口を開いた。
アリス「私はこの世界の神。あなたは…え〜と?…う〜ん。あれ名前なんだっけ。もう、名前なんてどうでもよくない?あ〜めんど。どこだっけな……。」
めんどくさそうに頭を掻きながらブツブツと喋りながら、ガサゴソと資料をアリスが漁っていた。
アリス「あった。……あ〜。ようこそ鈴木ユウヤ。」
アリス「私はアリス。よろしくね〜。あなたはこの世界に召喚されました〜。イエーイ。オメデトー。」
ユウヤ「……え?……」
ユウヤ(チャラ……。全然祝ってる感じじゃないんだけど?棒読みじゃねぇか。)
俺は突然のことに思わず口を閉じてしまった。
余りに女子と関わりがなかったせいか?
それともやはりコミュ力がないせいか?
こいつがあまりにも適当すぎて言葉が出なかったのか?
俺はこんな奴とあって、え?としか話せなかったのだ。
アリス「え?って……。もっとほら……え!!!!異世界召喚!?とかえぇぇぇなんでぇ!とかないの?」
アリス「最近の転生者はそんな奴が大半なんだけどね〜。なんか……珍しいね〜。」
ユウヤ「……え、えぇ〜!い、いせか……」
アリス「いや無理して言わなくていいよ。そういうの面倒。」
ユウヤ(気を使ってやってんだろ。もう帰ろ。)
ユウヤ「あの、か、帰っていいですか?」
アリス「無理。選ばれちゃったもん。」
ユウヤ「は?え、選ばれたってど、どういう。(汗)」
アリス「つまり。君はこのファンタジー世界の人類補給要員として選ばれたってわけ。」
ユウヤ(人類補給要員?なんだそれ。)
アリス「なんかね〜。世界の均衡を保もたなきゃいけないらしいんだけど、このままだとうちの世界の人類側が絶滅しそうなのよ。」
ユウヤ(なんか大変そうだな。絶滅しそう…か、この神もさぞ頑張ってるんだろうな〜。きっといい神なんだろうな〜。)
アリス「まぁ本当は知ったこっちゃっないけど。上司が人類側が死んじまう〜!ちゃんと均衡保たないとボーナスなしだぞ!とか言ってくるからね〜。」
(全然いい神じゃねぇ!なんだコイツ!人類の敵なのか?味方なのか?なんなんだよこいつ。)
アリス「面倒くさいけど私が均衡を保つために頑張ってたってわけ。」
ユウヤ(え?)
アリス「ん〜〜〜〜〜だるい。てか上司マジうるさいんだけど〜。」
ユウヤ(は?)
アリス「なんか“人類のバランスが崩壊寸前”とか言ってんの。」
ユウヤ(は?)
アリス「ぶっちゃけどうでもいいんだけど、放っとくとボーナス下がるし?は〜ぁ(あくび)。面倒くさ。」
(ボーナスなくされるのお前がしっかり管理してねぇからからだよ!世界の均衡崩れたのまさかのお前が原因だよ!自業自得だよ!ちゃんと仕事しろよ!しかも頑張ってる理由がボーナスって。こんな世界に俺は召喚されたのか!)
アリス「だから別の世界から補充しようって話になったの。」
ユウヤ(最悪だよ!)
ユウヤ「はぁ……。」
アリス「でね?他の世界の神さまたちに“誰かくれない?”ってお願いしたら、あんたのとこの神がノリノリで“いーよ、余ってるし”って言ってくれてね?私が好きな人選んでもらっていいことになったの。」
ユウヤ(いや軽ッ。俺の世界の神軽ッ。こんな奴に好き放題渡しちゃっていいのかよ。俺のところの神もこいつと同類かよ!)
アリス「いやほんと、ノリ軽すぎて引いたもん。あの神、大丈夫か?」
ユウヤ(お前も大概だろ。)
アリス「それで私選ぶの人選とかするのあんまり好きじゃないし、面倒くさくてね〜適当にルーレットで決まったのがあなただったってわけ。これであんたからしても公平だよね?」
ユウヤ(お前が面倒くさかっただけだろ。公平なんて後から付け足していい風に言い聞かせればいいってもんじゃねぇぞ?適当に召喚されたこっちの身にもなれよ!)
アリス「てことで文句はなしね?だいたい現状わかっただろうし説明はここまで。早速、異世界いってらっしゃーい。言語はわかるようにしておくから〜。安心せい。」
ユウヤ(文句あるだろ!説明終わりかよ。安心?言語はいいけど説明ザルすぎだろ。異世界転生報酬もないの?チートは?)
ユウヤ「ちょっ、まった!い、異世界モノってほらチートとかあったり……。」
アリス「そんなものあるわけないじゃん。地道に頑張りな〜?時間ないから、早くいってね。さよなら〜」
(ないのかよ。てか俺はもっと聞きたいことがある!待て待て!)
ユウヤ「ちょっ、ま!」
かくして俺は異世界に飛ばされた。
雑に。
とても雑に。
ーーー転送後ーーー
俺はどこかの人けの少ない路地裏に転送されたようだ。
その奥では人々が行き交い、にぎやかな声がかすかに聞こえた。
路地裏の人気がヒンヤリとした薄暗い建物の間の路地裏は、涼しく静かでとても落ち着いた。
幅もなかなかにあり、まるで座ってくださいと言わんばかりのいい具合の段差もあった。
これからどうするのかを落ち着いて考えるには、もってこいの場所であった。
だがしかし、当然のことながら路地裏。
ゴミが散乱し、ホコリがたまっていた。
おまけにネズミのようなやつもいた。
路地裏はホコリやゴミ等がなくちゃんと手入れさえしていればとてもいい場所だとつくづく思う。
涼しいし、人気が少なく落ち着けるし、安心するし。
まぁ人けが少なく、犯罪者に目をつけられやすいということを除けば、かなりいい場所だと思うんだけな。
そう思いながら流石にゴミやホコリが散乱した場所に座るのは嫌だったので、これからどうするかを立ちながら考えることにした。
そこである程度計画を考え、俺はずっと路地裏にいるわけにもいかなかいので、しょうがなく奥の人気がある方に近づいた。
路地裏を抜けるまで後、10m。
(ふっ…大丈夫だ。この距離まで来ても緊張してないぞぉ?)
(もしや俺……気づかなかっただけでコミュ力チートを獲得したのか?)
(異世界転生したんだ。)
(あり得る。)
(神が言っていたことがでたらめだった……のかもしれない!)
(それかこの世界の人間には…俺の陰キャ特性が効かないのか……?)
(俺の陰キャ特性は、相手が地球人じゃないと発動しない説?)
(くくく……これはワンチャンあるぞ!?)
ーー実際、そんな事はなかった。
ーー次の一歩を踏み出した、その瞬間だった。
世界が、爆音で俺を迎え入れた。
急に世界の音が騒がしくなり、
聖歌隊の賑やかなラッパの音。
人々の話し声。
人々が行き交う音。
魔法らしき発光と共に揺れる地面。と、その爆発音。
警備隊らしき人の笛の音と、止まりなさい!という声。
金貨らしきチャリーンという音。
馬車らしき馬の歩く足音と、荷車のゴトゴトと揺れる音。
それらの様々な情報が、俺に瞬時に流れ込むのだった。
俺はどうやらファンタジー世界に来たようだ。
その音達が聞こえた瞬間、緊張が襲った。
汗がでてきた。
俺はすぐに路地裏に引き返した。
ユウヤ「はぁ……はぁ……人が多すぎる。」
だが、異世界!人生リスタート!ファンタジー!魔法!剣!エルフ!ケモミミ!美女!美男!警備隊!中世!レンガ造りと木で造られた街並み!開けた通り!個性的な人々!これは人と最低限関わり、学校が終わった瞬間、すぐに誰とも話さず、帰宅していたり、行事も最低限しかやらず、委員も生徒会も部活も、何もやってこなかった帰宅部陰キャな俺ですら、また人々と関わろうと頑張ろうとするには十分過ぎた!
俺は路地裏で1人静かに笑った。
(くくく……異世界ならリスタートできる。俺が陰キャだとは誰にも知られていない。これは悪くない。)
ユウヤ「……悪くない。」
俺はこの世界で陰キャだったが、この世界で陰キャなりに頑張って人間関係を構築してみようと決意したのだった!
俺は勇気を振り絞って路地裏を緊張で震える膝を、何とか揺れていないようにズボンの外からは振動していないように振る舞いながら、よく面接などで、人が緊張してロボット歩きになるような感じで、歩道を歩いてみるのだった。
ガクガクと膝が震える、視線が気になる。
(人が多すぎる。美男美女が多すぎる。なんなんだこの世界は!)
俺の見た目は自慢ではないが、悪いわけでもなく、とてもいいわけでもない、中と上の間の下くらいの顔つきで、身長もいくらかある。だがこの世界の奴らはコミュ力もあって、容姿もだいたい平均が俺の世界の中から上くらいが平均だった。
(コミュ力お化けしか……い、いないのか?(汗))
(なんでそんな皆堂々としていられるんだ。)
(めちゃくちゃ皆積極的に会話を楽しんでいる!いいなぁ!俺はさっきから発汗と膝の震えが止まらないというのに!(汗))
俺はあまりに膝が震えて仕方ないので、壁に寄りかかりながら近づいていき、道路脇の街灯の下にあるベンチに座った。
(なんなんだよラノベの主人公は皆、異世界であんなに陽キャムーブしてたんだぞ!?なぜ俺はできない!?もう疲れた…とにかく休憩だ。)
「ふぅ……。やっとベンチだ。」
(どこか……、どこか。
図書館はないか!図書館は!
あそこならまともに息ができるはずだ。どこだ!)
俺は4号線のような開けた通りを見渡し、図書館らしきところを探すのだった。
俺の物語はまだ始まったばかりだーーー
(人の顔もまともに見れなかった俺がこんな調子でこの異世界でリスタートできるのだろうか……。いや、するんだ。してやるんだ。第二の人生。この異世界で陰キャなりに頑張って、楽しい異世界生活送るんだ!)
ーー俺はやる。
この異世界で俺は頑張って人間関係ともしっかり向き合って、楽しい異世界生活送ってやるんだ。
陰キャな俺が転生してもやっぱり陰キャだった件について〜転生したからってすぐ変われるわけねぇ!〜 かげろっち @kagerocchi
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