第59話 怒ったもんね!
「ただいま…うわっ、ビックリした!?玄関で待っているなんてどうしたんだ?」
「……おかえり辰馬君…少し訊きたいことがあるんだよね」
「あ、あぁ……何だろうか?」
ボクシング帰りと真夏の炎天下によるダブルパンチで汗だくの辰馬は、フラフラになりながらも家の玄関を開けると今まで見せたことのない表情のまま仁王立ちしている茜の姿があった。目が細められて、腕を組んでいる。そして口調も普段より重い。つまり能天気な彼女とは違い、今の茜は何か圧のあるようなモノを感じさせる。そして、こうなった原因は一つしかないことを辰馬は薄々察していた。
「分かっているよね?」
「……美玖さんとの交際の件でしょうか?」
「うん、そうだよ。前にも言ったよね?付き合うなら私だって……もしかして私より美玖ちゃんの方が好きだった……かな?」
不服そうであり不安な表情を隠し切れずに、もう少しで涙が出そうな程我慢しているのだろう。震えた方と口調がその証拠である。美玖へ付き合うと浅はかな返答をしてしまった自身が間違いだったのではないかと、自問自答したがそれでも自身が出す結果は変わらないだろう。
「いや、別に……俺は……俺は茜さんと美玖さんの二人が同じくらい好きだ。最初の初恋が美玖さんなのは間違いない。ただ、それでも数日過ごしただけだけど、ハッキリと言えることがある。俺が茜さんも好きだってことだ!」
「……そっか~。そういえば辰馬君が私の事を好きって直接言ってくれるのは初めてだよね……」
「え、ま、まぁそうか?そうかもな」
「そうだよ~。それにしても美玖ちゃんが辰馬君の彼女さんか~」
「別に未だ付き合っているわけじゃないぞ?来年以降の話だしな」
「それでも女の子としては羨ましいんです~。まぁでも、辰馬君の初キスと童貞を私が貰っちゃったんだから、交際くらい認めてあげないとフェアじゃないかな?」
頬を膨らませて子供のように不満そうな表情をするが、先ほどと違って暗くない。納得はしていないのかもしれないが理解したという雰囲気を感じさせる。そんな茜の様子に辰馬も内心ではホッとした。
「俺に聞かれても……」
「ごめんね~。じゃあ、辰馬君夕食作ってよ~私もうお腹ペコペコだよ~」
「ほんと我儘なお嬢様だことで……」
「事実令嬢ですから……まぁ今はもう会社も廃れちゃったけど」
「あぁ、ニュースに流れているみたいだな」
「うん。流石にパパが経営していた会社を引き継ぐのは、ママには無理だったみたいだね~。色々と好き勝手にして、僅か半年でここまで売上を下げれるのは最早才能だよね~」
上場企業なので社員数は数千人いる元父親の企業は、彼が亡くなってから瓦解の一とを辿っていた。あまりにも母親の話をする茜は悲しそうな表情をするので、辰馬は話題を変えるためにエッチの次に好きな食事の話を振ることにした。
「……そうだな。よし、今日は茜さんが好きなパスタにするかな」
「おぉ~チーズもよろしくね♪」
「太るぞ?」
「大丈夫だよ!食べ多分は走るから、今日もランニングよろしくね~」
「……了解」
(片道しか走れないから帰りは、俺が背負ったりしないといけないからマジでしんどいんだよな……まぁそうでもしないと一日中家にいるし流石にモデルの茜さんが太ったりしたら一大事だから仕方ないか……)
【あとがき】
次話で最終回かなぁ~。
ほんとはもっとエッチな描写したかったけど色々と厳しかったんだ……許してくれメンス。次回は、イチャイチャ多めの作品を執筆予定だぞい。
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