第20話 浮気しちゃったの?興奮するね……

「茜さん、もう下着決まった?」


「た、辰馬君、何でここにっ!あ、もしかして、かなり待たせちゃった?」


 茜はスマホを取り出して時間を確認すると、四十分以上の時間が経過していた。それほどまでに一人悩んでいたのかと内心驚くのと同時に辰馬に申し訳ない気持ちで溢れてきた。


「……まぁ正直かなり待った」


「ごめんね……。下着選ぶのが楽しくって……」


「ハァ、まぁいいよ」


「あ、ありがと……」


――ガシッ


 涙目をしながら俯いている茜を見てしまうと、どうも調子が狂ってしまうのか彼女の頭をポンポンと撫でながら声を掛ける。そして手を離そうとすると茜は彼の手首を力強く握りしめて、離さないようにする。


(え?力つよっ!というか、この細腕のどこにこんな力……)


「んっ、ん~~~」


 辰馬の背筋に冷たい汗が流れ、これ以上の抵抗はせず大人しく彼女の頭を撫でる。すると茜は猫撫で声をして、辰馬にもっとしてくれと訴えかけるような瞳を向けてくる。


「あの……」


「あ、はい!」


「大変申し訳ないのですが、そろそろ――」


「ん?辰馬君……なんか臭いよっ!」


「え?」


――クンクン


 迷惑そうに二人を見つめている店員は、辰馬たちを追い出そうとしたのだろう。茜に妨害されて最後まで言葉を言うことが出来なかったが、辰馬には伝わっていた。そして、再び茜の奇行が始まってしまい、店員のお姉さんは頭を抱えた。


 「うん、間違いない!二匹のメスの強い匂いが、ココとココからする」


(やべぇ……合ってる。嗅覚が鋭いっていうのはマジだったのかよ!というかここまで正確に…)


「あ、その……」


「辰馬君、これって寝取られだよね!」


「寝取られ?」


「そうだよ!こ、こんな極上の……お、お、お、オカズ…//」


 羞恥心を堪えきれなくなった茜は両手で顔を覆ってしまう。耳まで真っ赤にして、とてもワクワクした様子でもあった。厚手のパーカーで隠れているものの極上のスタイルを悩ましくヨガらせながらクネクネと体を揺らす。


「あのっ!」


「はいっ!」


 思考を放棄させていた店員が再起動させて辰馬に詰め寄ってくる。茜の奇行により罪悪感しかない辰馬にとって今の状況は正しく地獄であった。


「早く商品買わないなら出て行って貰います!」


「そ、そうですよね!直ぐに買わせて頂きます!ほら、茜さん……ダメだこりゃぁ」


「辰馬君、もう焦らさないで……。お願い……君の、お、おチ〇チンを……私に――挿れて欲しいよ――」


 目を瞑って何か妄想している茜は、手が付けられない状態であった。彼女はもう手遅れなのか外でも本性を出し始めてしまっていた。辰馬と店員のお姉さんは、冷たい目で彼女を見つめていた。


「彼氏さん……悪い事は言わないので彼女とは別れた方がいいと思いますよ。貴方、かなりイケメンですからもっといい相手も――」


「いいえ、それでも俺は茜さんを大切にしていきます!」


「た、辰馬君!う、嬉しいっ!わ、私の事をそんなに想っていてくれていたんだね!もう我慢出来ないよ、こんなの濡れない方がオカシイよ!」


「おいおい聞こえていたのかよ……」


 辰馬としてはこんな状態にしてしまった原因が自分であるということを理解しているため彼女が真面になるまで面倒を見なければいけないという責任感すら生まれてきていた。それを勘違いしたのか茜はあまりにも嬉しそうな恍惚した表情で、抱き着いてくる。


「私の匂いで上書きしてあげるね♪」


「……茜さんブラのサイズは?」


「ん~辰馬君ってばエッチ♪」


「いいから答えて!」


「ん~そういう強引なプレイも外でして欲しいなっ!えっとね……Fカップだよ//」


「そっか。店員さん……もう俺が選びますんで、どうかお願いします」


「……早くして下さいね。彼女のせいで他のお客さんも出ていってしまったんですから」


「ほんと、ごめんなさいっ!」


 穴でもあったら入りたい気分であり、茜に抱き着かれていなければ店員へ土下座をしていただろう。

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