聖女と皇帝…国も立場も性格も違う2人が、重要な日に入れ替わる!

教国と帝国の停戦のための調印式…そんな重要な日に何故か入れ替わってしまった教国の聖女と帝国の皇帝
周りにバレないよう、不審な動きをしながらも原因を探ろうとする物語。

とてもキャラクターが魅力的で、特に聖女様が可愛くて仕方ありません。
表面的には主に仕える知性的な女性なのですが、中身は腹黒く人間臭いところがあります。
冒頭で下らないことを実行したり、好奇心も旺盛。
特に侍女とのやり取り、ご飯に対する楽しみ方など女性としてリアルな価値観があり、読んでいてすごく親しみやすいです。

一方、魔王と呼ばれる帝国の皇帝は無愛想で必要以上のことを話しません。
なので何を考えているのか分かりにくいところもありますが、聖女との入れ替わりを通して、少しずつその人格というのが浮き彫りになっていきます。
これからの2人の関係性と心境の変化が楽しみです。

この作品には魅力的かつ細かい設定がたくさん施してあります。
フランスとイギリスという歴史上、とても仲の悪い国同士であること、そして各キャラクターの名前の由来や設定が実在の物から考えられているのが、非常に興味深く、読んでいてとても勉強になります。
個人的にヨーロッパ史が大好きなので、キャラの名前を見た瞬間、これは好きな話かもと思い、ワクワクしました。

またこの話は一貫して聖女視点で物語が展開していきます。
彼女の二面性、心理描写がとても上手く表現されているため読みやすく、キャラクターに感情移入しやすいです。
これからの展開、入れ替わりの原因が何なのか、2人はどうなっていくのかとても気になります。
引き続き応援させていただきます。
素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました!

その他のおすすめレビュー

洗濯うさぎさんの他のおすすめレビュー97