短編小説 義兄弟の誓い(中学生)
@katakurayuuki
義兄弟の誓い(中学生)
ガコン!
トランクルームを整理しているとふいに足で大きめの缶を蹴ってしまった。
『もう、時効だよなぁ。』
そんなこと思いつつ過去を振り返る。
「「「我ら生まれるときは違えども、死すときは同じ!」」」
そんなことを口をそろえて言う俺たちは俗にいう3バカだった。何をするにしても3人で遊び、学び、恐怖した。
そんな俺たちが中学を卒業するとき、どうせならタイムカプセルをやろうと言い出したのだ。ハハハ、こやつ、いいアイデアじゃあないか。
卒業式の後、学校の裏山に集まった俺たちはそれぞれにタイムカプセルに入れるものを持ち出した。
劉備役だった俺は図工の時間に授業で作ったハンコを俺たちの国の玉璽ということにし、取り出したとき、俺は一国の王になると宣言した。
関羽役だったノッポはそのとき使っていた財布を入れ、今はすっからかんだが、これをまた取り出す時、この財布がパンパンになるほど俺は金持ちになるぞ!と宣言した。
張飛役だったマッチョは、恥ずかしそうに手紙を持ち出した。
??
俺と関羽が困惑していると張飛は恥ずかしそうに言い出したのだ。
「実は言ってなかったんだけれど、俺、付き合ってる奴がいるんだ。ほら、クラスで貂蝉と呼ばれていたあの子。内緒で付き合ってたんだよね。俺はあいつと結婚していい家族になるぞ!」
と宣言するのはいいが、ちょっと待ってくれ。俺も貂蝉と呼ばれている子と付き合っているんだぞ!
俺たちの中学は恋愛などがあまり流行らない、教師の監視が厳しく色恋などおおっぴらにできない校風だった。なので付き合う人たちはこそこそと付き合っているのだ。
そう言おうかどうか迷っていると、目の前に同じように戸惑っている関羽がいた。
「関羽、お前もなのか?」
「俺もだぞ兄者。」
アイコンタクトですべてを分かった俺たちと何もわからないままでいる張飛のマッチョ。
タイムカプセルを入れた後、関羽と話し合い、やはり裏で付き合っていたことが判明すると、徐々に俺たちは貂蝉と付き合うのは止めようと決めたが、問題は張飛だ。あいつ惚れこんじまっている。
貂蝉には悪いが、張飛のほうが大事だ。何かとそのあと会うたびに他の女の子を何気なく勧めたりいい雰囲気を俺と関羽でなんとか作ったりして張飛と貂蝉が自然と別れることが出来た。
タイムカプセルを開ける時が来る前に、貂蝉との思い出を振り返るのもなんだし、関羽と相談して先に掘り起こしてしまい。俺が保管することになった。
今でも関羽と張飛とは仲良しだ。だが、あの瞬間。張飛のうっかりで気づかなければ俺たちはどうなっていたかわからない。
多分、これでよかったのだ。
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