星を焚く

栗田 拓

星を焚く

廊下には小輪の菊飾られておだやかな暗がり いらっしゃい。



むらさきのバックパックのPatagoniaのロゴが畳へ垂直になる



夏の川に白鳥はまだ来ないから時のながれも微睡んじゃった



砂粒はあしのうらから払われて褪せているビーチサンダルのPUMA



声帯がふるえ故郷は緩やかにきみの地脈と連なりを持つ



かわいいね鉄道むすめすこし恥ずいのですぐに消すためのスワイプ



シャッターを切るのに合わせ夜空へとモノクロームの花火がひらく



家家の前には星の焚かれゆきたましいを呼ぶ星座となりぬ



コンビニが不在の町に課金すれば自販機前へ朝焼けが来る



きみのすきな海の暗さに単線の車窓は水平線をならべて











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星を焚く 栗田 拓 @kuritataku

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