転生したら上級闇属性の能力《ギフト》なんですが、それはいいので世界征服します

wkwk-0057

第1話―転生―

俺はかつての同級生である勇者の前に立ちはだかっている。

指を鳴らし、死者を蘇らせる。

そして指揮をするように手を動かす。

死者たちが戦い、俺は前髪が揺れその隙間から金に光る瞳を輝かした


そしてニヤッと笑い言葉を紡いだ。

「さぁ、踊ろうじゃないか」


―――――――――――――――――


数十年前に遡る










目が覚めるとそこは緑の木々に囲まれひとつ大きな城が建っている。


「確か……授業中地面が光ってそして……」

吸い込まれた。


状況を読み込む前に他の生徒が現れた。


「良かった……お前も無事だったか!」


そう言って爽やかな笑顔を向けるのは

響。

どうせこのタイプは勇者になって世界でも救うのだろう。

俺だったら……


「皆さん!お集まりですね?」


そう言って現れたのは

ドレスを着込みキラキラと光るティアラをつけている。

王女だ。

この手によくある、王女が世界を救って欲しいために召喚した流れか。


だとしたら……俺は巻き添えをくらったヘタレってことか。


そして状況を説明されたが、そんな事はいい。

俺の能力ギフトは何故か強そうだった。

《上級闇属性》


……?

どんなやつなのだろうか。

影操ったり、死者を操ったりとかするのだろうか……


そしてわかった事がある。

それは1ということだ。



すると王女が俺に話しかけてくる。


「おや……?貴方は?」


「……ん?」


「私が召喚したのは14


おやおや……"お決まり"が来たか。

ここで追放の流れだな。

だが王女は意外と優しく

「まぁ、周り見てきていいわよ」




俺は湖を見つけそこに腰掛けていた。

そして顔を洗うために湖を覗き込むと

前髪の隙間から見えるのは

瞳の色が金色に変わっており十字架が金色の中心にあった。



そしてひとりでブツブツと呟いていると


「何してるんですか?」


と話しかけてくる人がいた。

それは質素なドレスを着ており、見るからに落ちぶれた王女という感じだった。

そして俺は

「第3王女イリアス・アカリネ……様がなんの用だ?」


「そ………そんな事はいいんです。貴方"のも"実力を知りたいと仰ってました」


「へーい」


そう言い王都の庭に戻ってきた。

そしてそこには白と金の鎧を着た男がずっしりと構えていた。


そして俺を見るなり

「お前はこいつらより多めのメニューだ!!!」

と言い腕立てを強制させてくる。

〈数分後〉


「次は決闘だ!!!」


そして、俺は勇者と決闘をしないといけなくなった……しかも初戦だ。

お互いが枠の中に入り合図を待つ、


そしてパン!という音と共に戦いの火蓋は開かれた。


〈剣聖の光〉

すると響の剣が光り斬撃を飛ばしてくる。


だが俺には当たらない。

理由は明白レベルもギフトもこっちの方が断然上だからだ。


〈闇夜の鴉〉

【空間が夜となり相手にデバフを自分に基礎体力、基礎能力が10倍】

≪デバフ内容≫

・受けるダメージが二倍。

・基礎体力、基礎能力が-20

・視界を-10%




そして魔法の詠唱を唱える

「金眼の主よ、万物を食い尽くせ」


巨大な紫の魔方陣が前方に現れ俺を飲み込む

額に二本の角が、口には牙が生え瞳の十字架がさかさまになっていた。

ただそれだけだったが、何か強くなったという確信は持てた。


襲い掛かる響、はじめてここで会った時の笑顔は消え本気でつぶしに来ていた。

響の剣を避け腹を蹴り上げる

少し吹き飛ぶ響

俺は前髪をかきあげ響に近づく。


響は何が起きたかわかっていなかった。なんせ自分より弱いと思っていた奴が自分より強く圧倒していたからだ。


響は

「こ……降参だ!!!」

そう叫び俺は残念な気分になりながら能力ギフトを解除した


そこにいたのは第三王女イリアスしかいなかった。


幻覚……

何らかの理由で俺の実力を試した……


「なんの真似だ?」


そう俺が聞くが無視し

「私を……助けて」


涙を流し膝から崩れ落ちる


話を聞くと今朝あったキラキラ光るティアラをつけていた王女が第一王女。強欲で、傲慢で口がうまい。そしてイリアスは第三王女、王家の長女にして高い学を持っており周りから慕われていた。

が、第一王女が生まれてから変わった。美人で口がうまく、王は第一王女に虜になっていた。


必然的に跡取りはイリアスから第一王女に移ったのだった。

そこからイリアスは感情を押し殺し他人に冷たく当たるよう第一王女に脅され周りからは【茨姫】と呼ばれるようになった。助けを求めたくても王女から何をされるか分からなかったために何もできていなかったそう。


そこでたまたま召喚された俺がイリアスと同じ雰囲気をしていたから声をかけたそうだ。


俺は頭を抱えた。如何にも聖女を醸し出していた奴が黒幕で、こいつが悲劇のヒロイン枠だということはわかった。


「……はぁしょうがねぇな、助けてやる」


まずは、ここを滅ぼそう。















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