大きなかぶパロディ「長編小説が書けない小説家」
尾道カケル=ジャン
長編小説が書けない小説家
現在、ある自室で、小説家がうんうん唸っていました。
小説家は、長編小説が書けず困っています。
そこに男友達がやってきました。ひとまず掌編小説の執筆を手伝ってくれるようです。
二人は協力して掌編小説を書き始めました。
カタタッ、カタタッ、カタタッ。
ひとまず、数百字の掌編小説が書けました。
それでも長編小説は書けません。
そこに女友達がやってきました。短編小説の執筆を手伝ってくれるようです。
三人は協力して短編小説を書き始めました。
カタタッ、カタタッ、カタタッ。
ひとまず、数千字の短編小説が書けました。
それでも長編小説は書けません。
そこに先輩がやってきました。そこそこ長めな小説の執筆を手伝ってくれるようです。
四人は協力して、そこそこ長めな小説を書き始めました。
カタタッ、カタタッ、カタタッ。
ようやく、数万字の小説が書けました。
そこに後輩がやってきました。いくら時間が経っても、男友達、女友達、先輩が帰ってこないから心配したようです。
小説家は三人に感謝をしてから、一人長編小説を書き始めました。
カタタッ、カタタッ、カタタッ……!
小説家は、短いながらも小説を何作も完成させてきました。
その経験のおかげで、途中で執筆をやめるリタイア癖はなくなりました。途中飽きが来たりもしましたが、数百字、数千字、数万字と文字を重ねていきます。
そうして、短い小説を書くという遠回りをしたおかげで、とうとう小説家は、長編小説を書き終えたのでした。
大きなかぶパロディ「長編小説が書けない小説家」 尾道カケル=ジャン @OKJ_SYOSETU
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