今も、都市部のどこかで本当にこういうことが起こっているかもしれない。そんなことを感じさせられました。
舞台はコンビニエンスストア。そこで働く主人公は「大きな黒いスーツケース」を宅配便として持ち込んでいる老人を見る。旅行帰りか何かだろうか、とふと考える。
その後、店内でなんらかの「異常」が確認されるように。科学では解明できない、どこか超常めいた香りのする出来事。
やはり、あのスーツケースに何か問題が?
コンビニエンスストアを訪れる客には、ホームレスだの酔っ払いだのも時折混ざり込む。多種多様な人間が通り過ぎ、正体もわからないままで終わる場所。
そんな店内に現れた老人は何者だったのか。そして、スーツケースの正体は。それを宅配として持ち込んだ意味は。
正体のわからない呪物とか、それにまつわる何かと関わる人間とか。そういうものと、知らず知らずに「どこか」ですれ違っているかもしれない。
日々、隣を通り過ぎていく「何か」。そこにいざスポットを当てると、実はすごく不気味なものが混ざり込んでいるのではないか。
そんな「アーバン」な不安を活写した作品でした。