第2話

●第2章「本能寺、燃ゆ。そして武田との死闘へ!」



シーン6「惨劇」

勝利の美酒に酔いしれる間もなく、事件は起きた。

織田軍合宿所・本能寺──全焼。

朝靄に煙る焼け跡の中で、ひときわ目立つ張り紙。

「森蘭丸、行方知れず。織田信長、消息不明。」

──誰が?なぜ?

野球しかしてない戦国時代に、ガチの“下克上”が起きたのか。

幸子:「えーっ、炎上って、そマジ燃えるやつかー!」

「パラレルワールドでも、あるんだー、うっかりしていた」

「織田さん、蘭丸、ごめんなさいま」

残されたのは、幸子監督と、数少ない選手たち。

そして、サブキャプテンとしてチームを引き締めるのは──

豊臣秀吉(通称:ヒデ)。

秀吉:「監督!今は悲しんでる場合じゃありませぬ。次は武田軍っすよ!行きましょう、“走る野球”で!」

幸子:「うん……行こう。信長さんのためにも……!」

涙で前が見えない幸子。

優勝、天下統一したら、OLに戻れるかな、、、、

織田軍は、喪章をつけて再出陣する。


シーン7「甲斐の猛牛軍団、現る!」


【対戦カード】

🟥織田軍(尾張イーグルス)

🟩武田軍(甲斐サンダーブレイズ)

球場は、山岳地帯に作られた断崖グラウンド。

セーフティバント失敗すると、ボールも選手も崖から落ちる仕様。

解説坊主:「本日の対戦相手、武田軍は接触プレーにて敵を倒す“接近戦型”でございまする。

打線の中心には、剣豪──上泉信綱、そして“走る二刀流”柳生新陰流チームが揃っており申す!」

幸子:「なんか剣豪いるんですけど」

「なんでフルコンタクトなの!?これ野球でしょ!?」


シーン8「剣豪打線 vs 忍者野球」


試合開始!

【1回表】織田軍の攻撃。先頭は、俊足のくノ一バッター・小夜!

幸子:「とにかく走って!触られたら斬られるから!」

小夜:「任せてくだされ!」

──バント成功!

だが一塁手の上泉信綱が、刀で小夜に突進してくる!

小夜:「ヒィッ!マジ殺されるーッ!!」

直前で煙玉を使いスライディング回避!セーフ!

幸子:「これが“命を賭けたスモールベースボール”……!」

【2回裏】武田の攻撃。バッター、柳生十兵衛。

ピッチャーは急遽正捕手から回された豊臣秀吉。

秀吉:「ふっ、打たせて取るタイプっすから(震)」

十兵衛、真剣白刃取りの構え──

来た球を、斬る!

幸子:「ボール切ったらアウトだと思いません、お坊様!」

──しかし、ボールは裂けてスピンし、セーフティーラインに落ちる。

一塁到達。今の技、公式ルール未対応。


シーン9「戦線崩壊と立て直し」


【4回裏】武田軍、怒涛の攻撃で2点先制。

三塁手の農民が、袈裟懸けプレーで負傷退場。

幸子:「だめだ、これじゃ選手がもたない……!」

そこで、幸子は策を講じる。

幸子:「ヒデ!あんたの野球、走ってバントして撹乱して、塁上で“くノ一式”でいくよ!あと忍者部隊、裏から盗塁サイン送って!」

秀吉:「おうっす、任せてください監督!」

【6回表】

織田軍反撃開始!

・バント→バント→バント!

・くノ一忍者が、3塁上で武田軍とイチャイチャ!

・秀吉のセーフティスクイズ!

──同点!!

いつのまにかくの一が分身して2人!?さすがに2人に攻められると剣豪も力抜けるわな。

2点が認められる。

2対2!同点!

坊主:「これは……戦国野球において、奇跡の同点劇でございまする!」


シーン10「逆転、そして天下統一への道へ」


【最終回・9回表】

2アウト2・3塁。バッターは、信長の愛弟子である蘭丸の弟・蘭太郎。

幸子:「信長さんの分まで、あんたが決めて!」

──投げた!

蘭太郎、叫ぶ!

蘭太郎:「うおおおお!兄上、見ていてくだされぇぇぇ!!」

──カキーン!!

センターオーバー、2点タイムリー!!

【最終回裏】武田軍、二人ランナー出すも、2アウト。

最後は三塁ベース上で、秀吉の“懐でボール温めときました”!の隠し球で、タッチアウトォォォ!!

坊主:「試合終了〜!!織田軍、天下への道を繋ぎ申したぁ!」


シーン11「炎の中から、あの声が──」


試合後、焼け跡の本能寺に再び足を運ぶ幸子。

秀吉:「監督、燃え尽きたっすね…でも、蘭丸さん、信長様、絶対どこかで…」

すると、焦げ跡の土の中から──

黒焦げのキャッチャーミットと、信長の愛用の派手なバットが出てくる。

幸子:「……待っててよ。私、絶対決勝するから。ここで安らかに寝ててね……また、帰ってくるよ」

風が吹いた。その先には、決勝戦の相手──天下統一の最後の砦。

毛利元就率いる“西国マリナーズ”の影が、静かに揺れている。

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