第9話 初めまして、そして。
【人形族】…………それは突如として現れた種族、元々あったわけではない。
今から2年前…守護者制度の確立と共に記念として出来た種族。公式からもあまり情報は無くあるのはただ名前のみ。
数こそ少ないが確かにいるというはずなのに、なぜかわからない……なんでだと思う?それはね…………
??「見た目が全くわからない種族だから……か。」
?!誰??!!気配が全くしなかった!!それにコイツなんであたしの…
??「アタシの姿が見えてるかって?」
思考が読まれてる?!…この時間は誰も来ないって情報のはずなのにどうして!!
??「残念だがキミが掴んだ情報はニセだ。キミをおびき寄せるために俺が流した。」
……っクソ!まさか見つかるなんて……え、ちょっと待って……
??「あぁ、そうだお前の配下の魔物は先にやらせてもらった。後からわらわら現れるのはダルいからな……それにしても、いい加減喋ったらどうだ魔族四天王ゾア。」
ゾア「……どうしてアタシの名前知ってるのかなアンタは。」
??「聞いたことはないか最近魔王国で襲撃があった話。」
ゾア「…まさか、アンタが……なるほどね道理でアタシが気配を感じれないわけだ。」
??「その時に潜入の話を聞いた…まさか魔族が人族に化けるのがこんなにも上手いとは思わなかったが……。」
ゾア「アタシはまんまとアンタの手で転がされてたと。」
??「もしこのまま今見た秘密を忘れると誓うのなら今回は見逃してやろう。」
ゾア「…どういうこと、それ。」
見逃す?そんなうまい話があるもんなのか?
??「その言葉の意味通りだ。魔王にこのことを言わないのなら、俺はお前を殺さない。」
ゾア「……いい話だけど。」
??「……!!」
ゾア「フフ、効いてきたみたいだねぇ?」
??「…こ……れは…。」
ゾア「アタシのスキルさ、目に見えない無味無臭の毒、ちゃあんと警戒はしないといけないよ?人族さん?」
??「……クっ…。」
ードサっ…ー
ゾア「申し訳ないけど、ここまでやられたらさすがのアタシでも容赦は出来ないわ。」
一緒に連れてきた子達もやられちゃったし…急いで戻らなきゃ、アタシレベルなら大丈夫だけど戦力が下がるのはいただけない…。
それにアタシだってこうして隙をつけたから良かったものの、実際は危なかったし。
ゾア「今回は報告することが山程あるわね……さようなら、素敵な人族の守り人さん。あなたが魔族だったらとてもいい戦力になったのに。」
??「それは光栄だな。」
?!っ
ーバっ!!ー
??「敵側のしかも四天王の一人に力を認めてもらえるとは!……なーんて他の奴らはそう思うんだろうな。」
どういうこと?!さっきアイツはアタシのスキルで死んだはず!!それに…
ーギギギギギギっ!!ー
この不気味な音は一体っ!!
??「やっぱりこの音ホラー要素高めだよなw夜にやられたら俺も流石に怖えーかも。」
ゾア「っ!!」
何…あれ、さっきまで地面に倒れていたはずなのに…どうして平然と立っているの!!
??「あぁ、さっきのはフリだ。」
ゾア「フ…リ……?」
??「俺に毒は聞かない…っていうと結構語弊あるけど、まぁ似たようなもんだ。」
そんな…ありえない!アタシのスキルは必中のはず!!遅効性とはいえ、気づかれずに殺せる毒のはず!!
??「ほんとーはもう少し様子見して、魔王と連絡しているところを聞きたかったんだが、どうやら予定が入ったらしくてこれからすぐに向かわないといけない。」
ゾア「アンタ…いったい何者なの?」
??「何者ね……何者なんだろうね俺は。」
今からでも逃げれる?!いやでもアタシのスキルは通じない…!!これは……。
??「時間がないからさっさと終わらせようか。」
ーパァァッン!!!ー
ゾア「っ!!…グフっ…!!」
攻撃が見えなかった!!……あぁ、魔王様…主様、申し訳ございません。こんなところで退場してしまうアタシをどうか許してください……
??「冥土の土産に教えてやるよ、なんでキミの毒が効かなかったか。」
??「キミの毒は生命全てに必中で効くやつ、つまり生き物なら効く。」
たしかにそう。アタシの毒は……もしかして……。
ゾア「……まさか…アン…タ……。」
その後、アタシは意識を失った。アイツの言葉を聞きながら。
??「初めまして、そしてさようなら。俺はキミたちがずっと探してた【人形族】、そして。」
白銀「“魔王がずっと探していた”【東の統治者】白銀(シロガネ)だよ。」
『Coler of Historia』~その意味と輝きを探して~「別の所では?」
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