短歌詩集

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第1話 友の名1

友の名1




あなたの名

 いつもはハガキに

  書く文字で…


石に刻むる

  文字ではなくて…




 昨日は友人の納骨の法要だったそうで、

一年半かかって、

やっと新しいお墓をたてたからと、

遠方のご家族から

ラインに送られてきた写真…。

そこに写っていた石…



その石は…



ピカピカで、

 赤くて、

  どこかしゃれていて…


梅雨の合間の

 晴天のなか、

  どこか晴れがましくて…




でも…

 わたしには、

  なぜ、

   そこに…


あなたの名前が

   彫ってあるのか…


いまだに 


 わからないのです…



(あたまで

  りかいできても、


こころで…

  りかいできないのです…)



あなたの名前は、

年に一度遠方から、

近況報告のために、

年賀状をしたためるときに…


もう何十年も、

ハガキの表書きに記してきた

文字なのです…。



石なんかに刻むものではないのです。




まちがってる!




だれか、まちがってると言ってよ!





~~~~




その石は

 ピカピカ赤く

  しゃれていて…


晴天のなか

  晴れがましくて…






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