夕方から深夜にかけて、都内とその周辺を行くタクシーは心強いもの。本当に困った時に、目の前に停まって扉が開かれる。有り難いと思うのは、決して 生者ばかりではないのだ。これは実際のタクシードライバーの不思議で怖い体験記。業界ならではの遵法やルール、不文律、そして、様々な噂。実体験を下敷きにして書き上げたとの事だが、狭い車内の空間での様々な怪談には肝が冷える。この臨場感を是非とも味わって欲しい。また、この作品の続編は目下、連載中!更なる怖さに震える…。
運転手さん側はきっちりとあちらの方と境界線を引いているので、最終夜の呟きがよりぐっと胸に迫るものがある。