アフタースクールライフ

のりぬるのれん

松島編

第1話 親友からの言葉

 学校が終わった。皆部活をしたり、家にそそくさと帰ったりする。いつも僕らは待ち合わせをして2人で帰る。高一の時から一緒で、2人組を組めと言われても、昨日喧嘩をして気まずくなっても、結局2人はセットで居る。僕、松島まつしま出雲いずもはそんな絶対に切れない縁のあるような友達だ。

「今日の小テストさ、できた?」

 一緒に帰る時、第一声が出るまで、何か話題あるかなと考える時間がくる。ひとつ話題が出れば意外と止まらず、気がつくとお別れになる。

「全然できんかった。お前は?」

「どうだろ、でも3つは空白で無理で、あと12問で記号は4分の1の確率だから…」

「それ絶対やり直しなるやつ。5点あるかどうかって感じか?」

 出雲は少し笑いながら、的確にツッコミを入れてくれた。もはや、欲しい言葉を絶対に返してくれるという信頼が完全にできている。

「あのさ、松島。今日時間ある?」

 いつもなら、絶対に帰っている。ハマっているゲームをやったり、課題をするために。これまでも出雲とは2、3回遊びに行ったぐらいか。時間はあるのだけれど、何をするのだろう。

「あるけど…何するの?」

「ちょっと話したいことがあってさ。カラオケ行こ」

 何の話だ?転校?それとも…って思いつかないな。学校に居続けるなんてのは親の事情が入った途端に崩れてしまう。

 嫌な予想がさらに嫌な予想を呼んでくる。カラオケまでの道、ほとんど無言になってしまった。無言になった時、なんか今日暑いね、みたいな言葉ばかりしか出てこなくなる。いつも見ている出雲の顔が違うように見えてしまう。

「2時間?」

「うん」

「27番ルームね」

 何とも言えない空気のままカラオケ部屋に入ってしまった。

「それで、話しって?」

「うん…話すよ」

 出雲はドリンクバーで入れたメロンソーダを半分程のどに入れた。

「俺さ…昨日言われたんだけど、能力があるんだって」

「………へ?」

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