主人公の夕霧は、他人に触れるとその人の
「心の声」が聞こえてしまう特異な能力を持つ遊女。
男性客の生々しい欲望が直接頭に流れ込んでくるため、うまく接客ができず落ちこぼれていました。
そんな彼女の前に現れたのは、足繁く通いながらも遊女を指名しない不思議な常連客・鉄。彼の正体は松平頼時というお武家様で、屋敷の奉公人が阿片(あへん)中毒で不審死した事件の出所を追っていました。
鉄は夕霧の読心能力を見込み、「両親の生活を一生保障する代わりに、妻として屋敷に潜入し、事件の調査に協力してほしい」と身請けと契約結婚を持ちかけます。
本作の最大の魅力は、自虐的で超・現実主義な夕霧と、どこか食えない性格ながらも彼女を「妻」として尊重する鉄との、絶妙な距離感から始まるバディ関係です!
長年の遊郭暮らしで身についた警戒心と巧みな話術、そして秘密の能力を武器に、容疑者だらけの巨大な武家屋敷へと乗り込んでいく夕霧の逞しさにグイグイ惹き込まれます。
一方で、底辺遊女から一転して立派な「奥様」として大切に扱われ、豪華な着物や初めて見るガラスの姿見に激しく戸惑う彼女のリアクションは、等身大でとても可愛らしいです。
近代化の足音が聞こえるレトロな世界観を舞台に描かれる、スリリングな事件の謎解きと、契約関係から始まるじれったい身分差ロマンス。
和風ファンタジーやサスペンスが好きな方に、
自信を持っておすすめしたい没入感たっぷりの作品です!
ひとこと紹介が下手くそで申し訳ない。しかしこれが魅力なのは間違いない。
触れた人の心を読める元遊女の夕霧が、士族の男に契約花嫁として貰われるところから始まる、ミステリ風味のシンデレラストーリー。
私がこの作品にハマってしまった理由を一つ挙げるとすれば、一癖も二癖もあるヒーローの存在。色男のはずなのに、一癖も二癖もあるし、油断すればすぐに触れ合おうとしてくる。触れ合えば心は読めるのに、彼の真意は読めない。
気がつけば沼にハマめられてるタイプのイケメンです。
まだまだ物語は序盤といった印象。この先の事件の行方と、二人の恋の行方。どちらも気になりすぎるので継続的に読んでいきたい。