ギャル系女子 ―「汗とシャツ」

暑い日差しの下で、私はシャツに汗をかいていた。

でも、それがなんだっていうのよ?

だって、私は元気に笑って、今日もどこにでも行くんだから。

汗なんて、全然気にしないもん。むしろ、シャツがぴったりと肌に張り付いて、ちょっとセクシーだし!


「はぁ、暑い! こんな日こそ、クールなドリンク飲んで、一気にリフレッシュしないと!」


私は、周りに関係なく、自分のペースで歩く。

こんなに汗をかいているのに、シャツがぴったりと肌に張りついているのに、

なんだか嫌な気分になることなんて、絶対にないんだから。


もちろん、周りがどう思ってるかなんて気にしないけど、

ちょっと汗でぴったりと張り付いたシャツが、ちょっとだけ気になったりもする。

でも、それを隠すなんて、私には無理。

だって、私はこう見えて、ちょっと「派手」なギャルだからさ。

汗ぐらいで隠れるような女じゃないって、心の中で思ってるんだよね。


「うわ、やばくない? シャツが肌にぴったり! あー、ちょっと恥ずかしいかも」


でも、すぐに笑い飛ばす。だって、私はどんな時も元気でいたいから!

汗なんて、すぐに吹き飛ばしちゃうもん。

むしろ、汗でシャツが張り付いているほうが、ちょっと魅力的かもって思ったり。


でもさ、なんだかこの汗のぬるっとした感じが、ちょっとドキドキさせるんだよね。

わかる? その瞬間、なんだか照れくさい気分になるの。でも、それを外に出さないのが、私の流儀。


「別に、汗かいてるくらいで、何よ。これが私なんだから!」


それでも、ふとした瞬間に感じるんだ。シャツがぴったりと肌に張りついて、

汗が流れていくとき、少しだけ不安になる。

だって、この汗がちょっと引いたら、どうしよう?

体温が下がったら、このぬるっとした感覚が、ちょっと物足りなく感じるかもしれない。


「汗がぴったり貼りついてるほうが、ちょっと好きだな、私」


その瞬間、他の誰かが気づいてくれるといいなって思う。

私が汗で濡れたシャツを着ているのを、見てほしいなって、ちょっとだけ思ったりする。

だって、私はそうやって、みんなに注目されるのが好きだし、

ちょっとでも誰かに「おお!」って思わせたくなるんだ。


でも、私のシャツに汗が張りついてるのを見て、

「あれ? ちょっとセクシー?」って思ってる男子がいたら、私は完全に満足だよね。

だって、こういう時って、絶対に可愛く見せたい!って気持ちが強くなるんだもん。


「ちょっと、見てよこれ! シャツが汗でこんなになっちゃってるんだけど、どうする?」


私はぶっきらぼうに言ってみた。

でも、その一言に含まれる意味、きっとあなたにもわかってるでしょ?

汗をかいてシャツがぴったりと張りついている、その瞬間に、

少しでも「ドキッ」とさせたいって思ってるの、バレバレだって。


でも、別にそこまで本気じゃないんだよ。

ただちょっと、シャツが張りついてるその瞬間に、

私の気持ちがわかってほしいだけなんだよね。


「だってさ、シャツが濡れてぴったりくっついてるほうが、なんか自分らしくない?」


その時、あなたが私に少し笑って言ったんだよね。

「本当に、派手だな。でも、ちょっと可愛いかも。」


その一言で、私は思わず顔を赤らめてしまった。

汗で濡れたシャツが、私の肌にぴったりと張りついているその瞬間、

なんだか嬉しくなって、少しだけ照れくさい気持ちが湧いてきたんだ。


「何よ、今更…恥ずかしいじゃん」


でも、その顔が可愛くて、私は思わず笑ってしまった。

だって、汗でシャツがぴったりと張りついてるからこそ、

私はこんなに元気で、自分らしくいられるんだって思うから。


少し汗ばんだシャツを、あなたが見ているとき、私は心の中で思った。

どうしても、あなたに注目されると嬉しい自分がいる。

それが私の性格なのかもしれないけど、でも、こうして汗で濡れたシャツを着ている時だけ、

私はちょっとだけ、素直な自分を見せられる気がする。


「もう、汗くらいで照れないから。だって、私はギャルだから!」


その言葉を自分で言いながら、私はまた、汗が張りついたシャツを見つめた。

ちょっとだけ恥ずかしい気持ちを隠して、また一歩踏み出す。


だって、私はそうやって、汗とシャツに背中を押されて、

自分らしく、また前に進んでいくから。

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