第43話 この男、クズもいいところ
自分が今まで書いてきた小説で一番のクズが登場します。
不愉快に思う人もいるかもしれませんが、ご了承をお願いします。
それでは・・・どうぞ。
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まさか、学校周りを徘徊していた不審者の正体が新堂さんの元父親だとは。
恰好がもう不審者のそれだぞ。
「どうして・・・何であなたが」
「さっき言ったろ。お前に会いたかったからだよ」
と言いながら、怯えている新堂さんの方へ近寄ってきたから、俺はすぐに横槍を入れることに。
「これ以上は近寄らせないよ」
「何だお前は!!こいつの彼氏か!?」
「違う友人だ」
「友人・・・ねぇ」
ニヤッとした笑いを見て、こいつはアイツを思い出してしまった。似ているんだよ、歪な笑顔が狂気的に見えてくる。
「あんたのことも知っている。新堂さんに暴力を振るっていたことを」
「暴力じゃねえ。あれは教育だ」
「自分の子供を何回も殴るのが教育なら、小学校からやり直せ!!」
「何だとてめえ」
「実際、本当に会いに来ただけなのも謎だからな」
「・・・そうだよ。本当に会いに来ただけなの」
「新堂さん」
俺の後ろにいた新堂さんが冷めた目つきで男の方を見た。
「親が子供に会いに行かなくてどうするんだよ」
「だって、私への養育費やお母さんへの慰謝料だって払っていないじゃない」
「それは・・・」
「なるほど、あんたは金目当てで新堂さんに近寄ったってことか」
「くっ!?」
めっちゃわかりやすい動揺だなおい。ここまでクズだといっそ清々しいぞ。大方、養育費と慰謝料が払えきれないから、新堂さんを利用してお金の減額か、脅して自分が引き取るようにして養育費を頂戴しようと考えたのだろうな。それとも、反省しているからやり直そうという魂胆じゃないかな?
「・・・クズ過ぎないか?この男は?」
「こういう人なの昔から」
「なるほどな」
う~~~ん。これはどうしようかな。警察に連絡するのもいいが動いてくれるのかね?と思っていたら、
「先生!!あそこです」
「「えっ?」」
「ちぃ!!」
と声をあげダッシュして逃げた男を見ながら、俺は生活指導担当の先生と九条さんがこっちに来ているのを確認した。どうやら、九条さんが俺たちが絡まれているのを見て、すぐに先生を呼んでくれたらしい。
「ゆづちゃん!!」
「大丈夫!?灯里!?」
「うん・・・野上君が守ってくれたから」
「ありがとう野上君」
「これぐらいはしないと男じゃないからね」
「野上、新堂、あの男は一体」
「先生。実は」
と先生に新堂さんと不審者の関係を話した(もちろん、新堂さんにも許可を貰って)
「なるほどな。なら新堂は一時車で送り迎えしてもらったほうがいいかもしれないな。それと」
「1人で行動しないってことですよね」
「あぁ、いつ現れるか分からんからな。新堂、この件は他の先生に共有しても大丈夫か?」
「信頼できる先生なら大丈夫です」
「分かった。何人かの先生に話してパトロールを強化する」
と先生との話し合いもそこそこに終わり、残ったのは俺・新堂さん・九条さんの3人だ。
「ありがとう、ゆづちゃん」
「玄関出たら、2人が誰かに絡まれているのを見てね。すぐに先生に話したのよ」
「実際助かったよ。あの男、ポケットにナイフっぽいのを隠してた感じなんだよな」
「それは・・・本当に間に合ってよかったわね」
「うん。本当にごめんね野上君。巻き込んじゃって」
「困ったときはお互い様だよ」
と話ながら帰ることに。ちなみに斎藤さんは部活仲間と帰ると九条さんに送っていたらしいが、事情をメールで送ったらすぐに駆け付けて新堂さんを抱きしめていた。
・・・あの男、また現れそうだな。
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