夢を見る。

僕は昔からずっと同じ夢を見る。

それは、1人の大人の男が僕に背を向けて立っているというものだった。

最初は何も感じなかった。というより、幼少期からずっと同じ夢を見ていたものだから、みんなも同じだと思って何も気にしていなかった。

違和感に気付き始めたのは、小学3年生からだった。小学生になって買い与えられたスマホの情報や、みんなが話す夢の内容には自分が見る夢と明らかな違いがあった。高所から落ちる夢。自分が死ぬ夢。追いかけられる夢。歯が抜ける夢。そんなの僕は一回も見たことがない。

「なんでみんなと違うんだろう？」

小学生の間、ずっとそう思っていた。そして形は少し違えど、今でもなぜ他人と違う夢を見るのか。この夢の正体はなんなのだろうと疑問に思っている。

この夢の正体を知った時、僕はどんなことを考えるだろうか。