教育の体制づくり

ナギはカイが用意した馬車で城へと向かった。城に着くと、カイはリーゼの執務室へとナギを案内した。

ドアを開け中に入ると、そこには、リーゼと二人の男性が待っていた。

「ナギいらっしゃい。ダルとギルを紹介するわ。左がダル、右がギルよ」

「ダルですよろしくお願い致します」

「ギルですよろしくお願い致します」

「ナギですよろしくお願い致します」三人は挨拶を交わした。


「さあ、みんな座って。ナギ、こちらで考えたことをルイに書いたの。これ読んで」

リーゼは2枚のルイをナギに渡した。ナギはそれを読み始めた。読み終えると、

「よくこの短期間でここまで詰めましたね。凄い」

「ダルとギルがものすごく頑張ってくれたもの、それにほかにも協力者が出てきているの。城の中で文字が広がってきているのよ。今まで口頭で伝えていたこともルイを使って伝えるようにみんなが努力している。自主的に勉強会も開かれているわ」

「いい傾向ですね、城の中はこのままでいいとして、問題は城の外をどうするかになりますね」

「そうです。城で働くのが読み書きが出来ることが前提となると、やはり城の外でも文字の読み書きを教える必要があります。ナギ様が書いておられた学校という物を作らないといけないということですね」ダルが言う。

「そのためには文字を教える人を育てないといけないです。私達はそれをナギ様にお願いしたいと思っています」ギルが続けて行った。

「え!私が?」

「そうなのよ、文字と言うのはカルディア国では初めてだもの、だから最初を間違ったら、ずっとそれが続いてしまう。ナギに教えてもらった方が一番確実だもの」

「なんか重大な任務のような。私に出来るのかしら?」

「ナギにしか出来ないのよ。ね、みんな」ダル、ギルが頷いた。


「ナギ様にはこちらで選任した3名ほどに文字を叩き込んでもらいたいのです。早く正確に文字を使えるように。その間に、私たちが文字を教える場を作ります。最初は少人数から始めようと思っています」ダルが説明した。

「ナギに危険が無いよう、この執務室を使って。もちろんリーフとサクラも一緒にいてもらうわ」

「そう言う事なら引き受けないわけにいきませんね。解りました。出来るだけ頑張ります」

「ありがとうございます。選任するのは能力者ではない人です。この国は能力者が動かしていましたから能力が無くても文字を覚えることで道が開けることを示したい。そう思っています」ダルがお礼かたがた続けた。


「後ナギにお願いしたいのは、サツの確認ということになるわ」

「サツの確認?私この国の事は解らないのよどうやって?」

「まずはナギ様の所にサツを持ち込みます。読んでもらっておかしいところに印をつけて下さい。そして書いた本人に直接面会して確認します。間違いを訂正して、清書してナギ様が再度確認して保管するという流れです。サツも間違っていると知識として広められませんから」ギルが説明した。

「書いてあることの確認だけなのね。内容はおそらく私には解らないだろうからそれなら出来そうね。」


「ナギにしてもらうことが多いから負担になるようだったらいつでも言ってね。急ぐことは無いから、確実にゆっくり進めていきましょう」


それから四人はこれからの事を話し合った。

ナギが選任された三人に会うのは一週間後に決まった。










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