町で出会った人と風の通信

私たちが家にと着くとエマが外で待っていた。カイは私を馬から降ろしそして自分はまた馬にまたがった。

「報告に行きます。後お願いします」

「解ったわ。気を付けて」

「でわ」カイは馬を走らせた。



「大変だったわね。怪我がなくてなにより。お茶にしましょう」エマはそう言い、果物を受け取ると私の手を取り家に入った。テーブルにはお茶とお菓子。私は椅子に腰かけて、用意されたお茶を飲んだ。

「怖かったでしょう。でも女の子を守るために飛び出すなんて無茶するわね」

「その時は夢中で。カイ、リーフ、サクラがいなかったらどうなっていたか、あ、何故何があったか知ってるんです?」

「知らせがあったからね。言ったでしょう能力者は風を使って伝えるって、私はあまり強くはないけど、少しは使えるのよ」

「そうなんですね。あ、そういえばあの方は誰なんですか?カイを呼びつけていましたけど、それに馬を繋ぐ係の人がカイに敬礼していましたが?」

「呼びつけていた方はこの国の王子様よ。カイは王室付きの騎士だから。カイは近衛隊の隊長でもあるからね。」

「この国の王子様。威厳のある方ですね。それにカイってそんなに凄い人なんですか、なぜそんな方が私に付いているんです?」

「王子様はとても強い力をお持ちだわ。カイがあなたに付いているのはヴェンティ様の御指名なのよ。カイはこの国有数の能力者でとても強い騎士よ」



色々と話をしているとナギの頭に声が響いた。

『ナギサ聞こえるか』

『え!カイト』

『ああ、そうだ、明日王宮に行く事になった。迎えに来るから』

『解った、エマさんに言って用意してもらう』




「ナギ!ナギ!」エマの声に私ははっと目を開けた。

「どうしたの、いきなり気を失ったりして」

「気を失っていた私が?」

「そうよどうしたの?」

「カイの声がして明日王宮に行くことになったって言ってました」

「そうなの、それなら用意しなくてはね」

「あの~私の言うこと信じるんですか?」

「私の方にも知らせが来たからね。そうと決まったら今日は休んで、明日に備えましょう」

「はい」

「今日は寝間着でいていいわ。今着ている服は椅子に掛けておいてね。少し横になったら」

「はい、そうします。少し眩暈めまいがするし」と私は言いサクラと部屋に戻った。


寝巻に着替えてベッドに横になると疲れていたのかすぐ眠ってしまった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る