第5話 初めての町 クランタウン
「おお、結構しっかりした町だな」
ゲームで町の様子は幾度も見てきたが、実際に目で見ると印象が変わる。
ゲームだと主要な施設とNPCキャラ数人が生活している家に数軒入れる程度であるが、町というだけあって、多くの人々が行き交い、職に就き、営みを過ごしていた。
現在地はクランタウン……ゲームだと、主人公の家がある町の次の町で、南に行くと主人公の町、北に行くとモッコリの森、西は海で、東は別の町に続く街道が広がっている。
この町での目標は、まずはレベリングをするための道具を揃える。
次にタウンリーダーに挑み、トレーナーランクを上げる。
そして町で開かれるバトルの大会に出場する。
タウンリーダーに認められて、トレーナーランクが2に上がると各町で開かれる初級の大会に参加することができるようになる。
その大会に入賞すれば賞金だったり、貴重な道具、成績が優秀なら町で生活をする野生のモンスターが友モンになるために売り込んでくることもある。
トレーナーランクが4に上がればプロトレーナーとしてスポーツ選手の様にスポンサーと契約してプロの大会にエントリーすることも出来る。
トレーナーランクの最高は10
10はこの島最強のチャンピオンであることを示し、多くのトレーナーから尊敬の眼差しと多額の賞金やスポンサー料で優雅な生活を送ることが出来る。
そこを目指していくこともゲームの友モンの醍醐味である。
まぁ今は正直身分証はあるが、この世界で生きていくにも情報が足りなさ過ぎるので、町で情報収集を始めるのだった。
自動ドアが開き、俺が中に入ったのはギルドと呼ばれる施設である。
国が運営している施設で、プロ未満のトレーナーランク3まではこのギルドに寝泊まりすることも出来るし、無償でモンスターの治療を行ってくれたりもする施設である。
あとは人に害を与えるモンスターの討伐依頼やモンスターを使った様々な仕事の依頼を受けられるのもギルドの特徴である。
受付の人に休みたい事を伝えると、部屋の空きがあるので、個室を用意しますと言われ、部屋のキーカードが渡された。
部屋に入ってみると、ビジネスホテルに毛が生えた感じで、シャワールーム、トイレ、ダブルベッドに古いテレビが置かれていた。
食事もこのギルドで食べることが出来るが、安い代わりに普通の味という評価をゲームでは受けていた。
今は金が無いので利用するが……。
「普通の味って言うから身構えていたけど、普通に美味しいじゃん」
現代日本に例えるとデパートのフードコートメニューに相当する。
今回は外れる事の無いと思ったカレーとモンスター達用の料理を注文し、カレーが1皿300円、モンスターの料理が1食100円だった。
他のメニューもだいたい300円から400円、高くても500円と凄まじくリーズナブル。
味の方もとろとろになるまで煮込まれた野菜の味わいがするルーに普通のお米を美味しく炊き上げた、学食で出てくるカレーが一番近い。
それが300円で十分お腹いっぱいになる量が出てくるのでありがたい。
友モン達は菓子パンの様な食べ物を食べていて1個でお腹いっぱいになっていた。
「ケプ、人間の世界の食べ物は美味しいって仲間が言っていたけど、本当に美味しいわね」
リーちゃんも満足したらしく、ぽっこりお腹が膨らんでいた。
ビーちゃんとマンちゃんも満足したのか俺の足元でうたた寝し始めてしまっている。
今日はバトルを沢山したし、疲れているのかな。
「部屋に帰って寝るか」
俺は友モン達を抱きかかえて部屋に戻り、シャワーを浴びた後に就寝するのだった。
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